ベトナム人の若者が事務所に遊びに来る。
社長がボランティア活動をしていたときに、現地でお世話になった知り合いの息子さん(24歳)らしい。日本に視察団の一員として来日しているのだとか。東京に寄ったから、会って食事でもするんだそうな。
社長「住吉の有名なもんじゃ焼き屋に連れて行こうと思っているんだ」
僕「また、難易度の高い日本食をチョイスしましたね。僕だって6年に一度くらいしか食べないし、あれ見た目はゲロですよ」
社長「予算が無いから仕方ないんだ」
僕「一口食ってダメでも、もんじゃ屋は他のメニューに逃げようが無いでしょ、可哀想ですよ。千年の宴で十分ですよ。彼は感動しますよ」
社長「いいの、いいの、決めちゃったから」←嘘をこけっ!自分が食べたいだけだろ。
「ところで、ついでに何かいい観光スポットないかな?」
僕「スカイツリーを見に行けばいいんすよ。住吉から近いし。お金かからないから。ベトナム人なんかは、634mの高さに腰抜かしますよ」
社長「それだ!」
そして、当日。
突然ベトナム青年は、事務所に現れた。社長が連れて来たのだ。月末なので、まだ事務仕事が残っていたので、15分ほどベトナム青年に事務所で待ってもらうようだ。
彼はガチガチに緊張している。
非常に真面目で大人しい印象だ。
ベトナムから日本にくる視察団に選ばれるのだから、エリートに違いない。
イガグリ頭で太っている。
寺内貫太郎を少し痩せさせて、エキゾチックにしたかんじだ。
▼寺内貫太郎
最初は味噌ラーメン先輩がベトナム青年のお相手をしていた。ベトナム青年は多少の英語なら出来るようだった。しかし、味噌ラーメン先輩はベトナム青年に対し、「ジャパニーズガールセクシー?」とか、隙さえあれば、下ネタをブッ込もうとしていたので、社長から「日本人の品格を疑われるので、これ以上喋らないで!」とクギを刺されたのだ。
当然、手持ち無沙汰になったベトナム青年は、僕の方をじーっと見ている。仕方が無いので、彼を僕のデスク、通称「子ども部屋」に招き入れ、グーグル翻訳を使ってクメール語の会話を試みることにした。
当然、手持ち無沙汰になったベトナム青年は、僕の方をじーっと見ている。仕方が無いので、彼を僕のデスク、通称「子ども部屋」に招き入れ、グーグル翻訳を使ってクメール語の会話を試みることにした。
▼グーグル先生
彼がカメラをぶら下げているので
「カメラを見せてください」
と翻訳した。
すると、ベトナム青年は、カメラの底部を指差して、Made in Japanをドヤ顔で僕に見せてきた。
ノーノーノー違うよ!
日本人にキヤノンのカメラ見せびらかしてどうすんだよ。
僕はもう一度グーグル翻訳で「カメラの中の写真を見せていただけないでしょうか?」と打った。
オウ!彼はそう言ってキヤノンのデジカメのディスプレイを僕に見せてくれた。
そのカメラには驚くべき景色が写っていた。
先ずは、富士山の五合目。
ベトナム青年はガチガチの真顔で僕の目の前にいるが、写真の彼は目一杯はしゃいでふざけたポーズをとっている。右ボタンを押して写真をめくると、連写しているので彼がコマ送りではしゃいでいる様子が伺える。変顔したり、ガッツポーズをとり、押し合ったりして、仲間と笑っている彼。ちょっとその写真とのギャップにイラッとした。本当は結構お茶目な性格のようだ。
さらに僕はカメラのディスプレイの横にある右ボタンを連射して、写真を進めて行く。
桜島
原爆ドーム
宮島
浅草
スカイツリーの展望台
東京タワーの展望台
いやいや驚いたね。
僕も行ったことのないような日本の景勝地をベトナム人のクセに見て回っているのだ。そして、ちょいちょいバカふざけを仲間としている画像が挟んであった。僕はやっぱりイラッとした。
今回の視察目的は石油や天然ガスエネルギーの技術を見るためだとか。
全然視察してねーじゃねーか!
しかし、危なかった。
スカイツリーなんて、展望台まで入って見ていたのだ。トンマな社長が後から外側なんて見せても、すでに中まで見ている彼は感動しないだろう。
そして、写真はキラキラと光るパレードを写していた。
彼は興奮しながら、こう答えた。
デンジェニンジェランド
最初、何を言ってるのか分からなかったので、聞き返した。
デンジェニンジェランド
我々が“ディズニーランド”とカタカナ英語で言ってるのと同じだろう。
彼もベトナム英語でディズニーランドと言っていたのだ。
写真を見終わり、またグーグル翻訳で「秋葉原には行きましたか?」
と聞いてみた。すると彼は、真面目な顔をして、こう言った。
No Game
No Animation
「カメラを見せてください」
と翻訳した。
すると、ベトナム青年は、カメラの底部を指差して、Made in Japanをドヤ顔で僕に見せてきた。
ノーノーノー違うよ!
日本人にキヤノンのカメラ見せびらかしてどうすんだよ。
僕はもう一度グーグル翻訳で「カメラの中の写真を見せていただけないでしょうか?」と打った。
オウ!彼はそう言ってキヤノンのデジカメのディスプレイを僕に見せてくれた。
そのカメラには驚くべき景色が写っていた。
先ずは、富士山の五合目。
ベトナム青年はガチガチの真顔で僕の目の前にいるが、写真の彼は目一杯はしゃいでふざけたポーズをとっている。右ボタンを押して写真をめくると、連写しているので彼がコマ送りではしゃいでいる様子が伺える。変顔したり、ガッツポーズをとり、押し合ったりして、仲間と笑っている彼。ちょっとその写真とのギャップにイラッとした。本当は結構お茶目な性格のようだ。
さらに僕はカメラのディスプレイの横にある右ボタンを連射して、写真を進めて行く。
桜島
原爆ドーム
宮島
浅草
スカイツリーの展望台
東京タワーの展望台
いやいや驚いたね。
僕も行ったことのないような日本の景勝地をベトナム人のクセに見て回っているのだ。そして、ちょいちょいバカふざけを仲間としている画像が挟んであった。僕はやっぱりイラッとした。
今回の視察目的は石油や天然ガスエネルギーの技術を見るためだとか。
全然視察してねーじゃねーか!
しかし、危なかった。
スカイツリーなんて、展望台まで入って見ていたのだ。トンマな社長が後から外側なんて見せても、すでに中まで見ている彼は感動しないだろう。
そして、写真はキラキラと光るパレードを写していた。
彼は興奮しながら、こう答えた。
デンジェニンジェランド
最初、何を言ってるのか分からなかったので、聞き返した。
デンジェニンジェランド
我々が“ディズニーランド”とカタカナ英語で言ってるのと同じだろう。
彼もベトナム英語でディズニーランドと言っていたのだ。
写真を見終わり、またグーグル翻訳で「秋葉原には行きましたか?」
と聞いてみた。すると彼は、真面目な顔をして、こう言った。
No Game
No Animation