増田家でラーメン（中）を食った。
千葉で掛け持ちのバンド2つの練習日が重なってしまったのだ。
17時～19時と21時～23時。
その待ち時間で家系ラーメンの増田家に行き、ラーメン喰らって、ベロベロベローチェに向かう。次のバンド練習まで残り40分しかないが、ベースキャンプを張り、本を読むことにした。ルーチンなので、これをやらないと頭とカラダが落ち着かない。
さて、ベロベロベローチェに着くといつも座る手前の席が空いていない。なので奥のテーブル中央に陣を張ることにした。右手には勉強をしている学生。勉強もしないでノートを広げながらiPhoneで動画を鑑賞してやがる。左手にはオバサン2人と若いカップル。
さて、それでは、北方水滸伝十八巻を読むことにしよう。
5～6ページを読み終えた辺りだった。
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オバサン2人と若いカップルの会話がどうもおかしい。
財産分与だの難しい法律の話しをオババが熱心に若いカップルに語りかけているのだ。最初は宗教の勧誘か、保険の勧誘かと思ったが様子がおかしい。俺の超ウルトラおもしろきこともなき世をおもしろくスーパーセンサー（ようするに盗み聞き）が突如けたたましく稼動しはじめた。
オバサン2人と若いカップルの会話がどうもおかしい。
財産分与だの難しい法律の話しをオババが熱心に若いカップルに語りかけているのだ。最初は宗教の勧誘か、保険の勧誘かと思ったが様子がおかしい。俺の超ウルトラおもしろきこともなき世をおもしろくスーパーセンサー（ようするに盗み聞き）が突如けたたましく稼動しはじめた。
これは、北方水滸伝よりおもしろき話しが聞けるんじゃないかと。
どうやらこのオバサン2人と若いカップルという俺の勝手な見方が間違っていたようだ。
実は、若い夫婦と両母親だったのだ。
若旦那の親は「本当に取り返しのつかないことをして・・・ちゃんと頭を下げて謝りなさいよー！」と言っている。ザブングル加藤をハンサムにしたような頬骨が出た若旦那はペコペコしている。そして、母親は「後は書類を郵送していただければ、もうお会いしなくて済みますから」と若妻とその母親に詫びている。
それぞれの両親を伴い離婚の話し合いという壮絶な現場だった。若旦那の浮気だろう。
アニメ「戦闘メカザブングル」の舞台である惑星ゾラなら、人殺しをしても3日間逃げ切れば無罪だが、リアルの世界では、浮気をしたらオカンと息子で嫁に詫びて即離婚なのである。
▼ジロンの両親を殺して3日間逃げ切ったティンプ・シャローン
俺はベローチェで180円の珈琲をすすりながら、そんな彼らの人生の節目に偶然立ち会っていたのだった。しかし、ホテルのティーラウンジとかでやればいいものを、わざわざ人目につく安珈琲屋のベロベロベローチェでやる辺りにすでに両家のバッチバチのガッチンガッチンコなしばき合い具合が垣間見える。
そういや、どうりで旦那のほうがチラチラと人目を気にして、ちょいちょい俺と視線が合っていたわけである。こいつは反省の色がないどころか、ヘラヘラペコペコピャラピャラして、ベースボールキャップなんぞをかぶって鬼チャラいし、鬼ペラい。そのくせ法律の話しになると待ってましたとC-3POのようにペラペラとしゃべくり倒すのだ。
▼C-3PO
一夜漬けの弁護士か！
奥さんは地方の女子アナのように真面目そうで垢抜けないが、色白で美人は美人だ。ただ、ひたすら聞き手に徹している。
一通りの話し合いをしたのだろう、両家は席から立ち上がった。旦那のオカンは別れ際に奥さんとその母親に深々と頭を下げてこう言った。
一生幸せにするなんて
言っといて
出来なくてごめんなさい。
そ、それ、オカンが言うセリフか？
思わず俺の珈琲が器官に入った。