忘年会まで話しは遡る。
自転車の会で僕以外のメンバーは、来年の目標を輪行すると言っていたのだ。
「輪行する」とは即ち自転車を分解してバッグに入れ、電車で運ぶ事を意味する。
その時は「いいですなぁ!」などと大人の対応を取っていた。もっと言うと巨神ゴーグの頭の上からロボ同士の戦いを傍観していたと言ってもいい。
▼こんな感じで

まぁ、輪行ってのは自転車乗りの夢であるし、それに来年のサイクリングの話しを、このクソ寒い真冬の忘年会でされてもビタイチリアリティが無かったからだ。
あれから3カ月。
突然我が隊の紅一点、アンジーからのLINEで忘れかけていた忘年会の記憶が蘇ったのだ。
4月4日に輪行ですね。
「輪行」の教習を
受けてきました!
という内容のメールだった。
うん、震えたね。
こちとらすっかり忘れてのほほ~んとオヨネコぶーにゃんのように平和に暮らしていたのだ。
さて、慌てた。
なにせ半月を過ぎているのに何の準備もしてないのだ。先ずは経済的に考えて、僕の今乗ってる自転車のホイールハブをクイックレバーで簡単に脱着する方法を選んだ。これなら自転車屋に持っていけば簡単にそして安価に済むだろうと。
ららぽーとに行ったついでにセオサイクルで店員さんに自分の自転車のハブ部分をアップにした写真を見せて「これをクイックレバーに替えるとおいくらですか?」と聞いてみた。

店員さんは作業中の手を止めて僕のスマホを食い入るように見つめてこう言った…
「無理ですね。
パーツが違うので。」
ガーーーン!
どうやら受け手のリアフォーク、フロントフォークの形状が根本的に交換できるタイプと違うらしい。1.5万以内で済むと思ったのだが、話しは予想していた方向と180度違っていた。
うなだれる中で、ヨッシーは嬉々としてファッションショーを展開している。

ネットを駆使して他の手段を模索しているとウイングナットなるものが現れた。
▼ウイングナット

これだと工具を持たずに簡単に外せるらしい。しかし、アメリカの安全基準が厳しくなり、市場から姿を消したようだ。今ある商品もデッドストックで、楽天では1件もヒットしなかった。
もうダメだ!
なんて思いながら楽天を検索していると、ミニベロが格安で現れた。3万円以内でミニベロが手に入るなら、輪行も随分とラクになる。何せミニベロというのは20インチ型の小径自転車で、前輪を外すだけでバッグに入り、持ち運びできるのだ。
そうそう何回も輪行するワケでもないし、コイツで取り敢えずは済ませようと思った。まぁ、本当はちゃんとしたロードバイクでキチンとバラして輪行したいが、時間も経験も無いのだ。
楽天でポチリングした。
それから4日でブツは来た。日にちの指定も時間の指定も出来なかったが、社長の居ないバツグンのタイミングでブツは来たのだ。
グッドジョブだよ、
カンガルー君。
しかし、ビルの駐車場に置かれた段ボール箱は、想像を遥かに超えた大きさだった。

いや、正直に言うと大きさまでは考えていなかったのだ。
つづく