訳もわからずステージに上がった。
予想していた時間より遥かに早く自分たちの出番が突然回って来たのだ!
(タイムテーブルでは30分押し)
出順もぐちゃぐちゃになり、タイムテーブルももはや紙切れと化したカオスのイベントだった。
ただし、全体の空気は暖かい。
このイベントを成功させようという気持ちは全員から溢れている。
ステージに立ち、ベースのセッティングをしているとスタッフの人なのか、誰だか分からないが「ベースの音大きいね」と言ってウーファーというツマミをグイッと下げてしまった。
目の前が真っ暗になった。
本番直前でベースアンプの音を下げたら、リハーサルの意味が無いではないか。さらにリハーサルではアンプからビンビンにベース音が出ていたので、モニターは一切返していない。よく考えたらDIに差さずにアンプにプラグインしたし、マイクが立ってる訳でもないし、このハコがどういうシステムなのか分からない。とりあえず勝手にツマミを少しだけ戻させてもらった。それでもステージの前の方に出ると自分のベース音は聞こえなかった。
セッティングが終わってステージ袖に捌けると、シマちゃんだけがまだステージに居るのに出囃子が鳴った。シマちゃんはステージ袖に慌てて隠れようとするが、前のDJさんの機材がステージ袖を占拠していて、身体全部が中に入りきれず、半分ステージに出たまんまになった。キカイダー01じゃないが、身体の半分は袖で、身体の半分はステージにいる。
こんなん初めてだよー。
恥ずかしいよー。
シマちゃんは泣いていた。
出囃子のマンフレッドマンの“Why Should We Not”が掛かり、しばらく半身を晒した後、しれーっとステージに戻りライブは始まった。
楽しかった。
お客さんもノッてくれた。
君津の市長は9曲目で帰った。
40分、全11曲無事に演り終えた。
僕らの後のTHE FLASHBACK RUMBLERSを観て、僕らだけイベント途中で早目に上がらせてもらうことにした。
そこで目を疑う光景が飛び込んで来た。
またもや
エディパンのバックドロップ
外し忘れてるwww
▼THE FLASHBACK RUMBLERS
▼ロッカーなのにスノボ好きなギターのルパン氏
僕とシマちゃんは2バンド後に出る、ベリーダンサーのショーをエロ目線で観たかったのだが、聖人君子のスミタ先生が「お家に帰りたい!お家に帰りたい!」を連呼した。世界のダーワーはどちらでも良い派なはずだが、なぜだか関ヶ原の戦いよろしくスミタ軍に寝返り、とうとう僕とシマちゃんも折れた。
グッバイ君津。
グッバイベリーダンス。
帰りは晩メシでも食おうとなり、スミタ氏推薦の焼き肉屋「赤うし亭」に行った。これが実に美味い肉で、僕とした事が写真も撮るのも忘れて肉に齧りついてしまった。お口の中でとろけるとはまさにこのこと。
帰りは千葉駅まで送ってもらい、途中の稲毛駅で腹痛に見舞われ、スマートフォンでも見っかなーとポケットをまさぐると…
無い!
スマートフォンが無い!
つづく
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エディパンのライブ in 君津【後編】
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