昨日はデザイナーのK氏にわが社の社長交代の手紙を渡すべく、銀座の谷中珈琲に呼び出した。本日、2回目のティータイムである。デザイナーK氏には今まで社長交代の情報の一切を伝えていなかった。2カ月前に軽くその話をしたら、めちゃめちゃ説教されたからである。しかし、いつまでも隠し通せるはずもないので、珈琲屋で社長交代をカミングアウトしたのだ。
16時に呼び出すと、彼は鞄を持ってきていた。この後、編プロに寄って出張校正して、そのまま直帰する予定だとか。
そんな彼に社長交代の手紙を読ませると、凄くびっくりしていて、凄くショックな様子だ。彼は独立してから1年間、僕の事務所で机を借りていたので、会社の内情から何から全部知っていた。もちろん、旧社長のことももよく知っている。
こりゃ、このびっくりは珈琲じゃ治まらねーな。どちらともなく酒を飲もうとなったのだ。そう、可及的速やかに。僕は一度鞄を取りに会社に戻り、PCをシャッダンして事務所を脱出し、K氏と合流した。まだ、明るい。16時30分だった。神保町で出張校正らしい。僕は彼が校正している間に近くのアウトドアショップ「サカイヤ」で時間をツブした。普通の山道具は本館にしかないので、テント売場は謂わばハードトレッカーやクライマーしかいない。しかし、背広を着て見ているお客さんのオッサン達は全然そんなハードな感じじゃないのに一生懸命ハーネスやらヘルメットなんぞを見ている。きっと週末は凄いんだろうなぁ。
▼さかいや本館
何て、感慨に耽っていたが、一向にデザイナーK氏からのメールが来ない。はて?トラブルでも発生しているのかしら。
マミー物件を撮影したりした後、サカイヤ本館のビルの敷地内のベンチで待つことにした。
▼チン マミー(本物のマミーが店先を掃除していた)
5分で終わる予定の校正を30分ほど引き伸ばしてK氏はやって来た。
さて、これからどこで飲もうか。僕が出したアイディアは「チェーン店なんだけどチェーン店っぽくない面白いもつ焼屋を探す」だった。水道橋の駅周辺をだらだらと歩きながら探した。
30分ほど探すとシビレを切らしたK氏が早くビールを飲みたいと騒ぎだす。と、僕はビシッと言ってやったった。
こっちはあんたの色校に30分以上付き合ったんだ!
大人しくしゅんとしてくれた。すると、神様のお導きか、精霊のいざないか、目の前にまさにどビンゴなもつ焼屋が現れた。
▼もつ焼・煮込み「でん」
これは間違いない店構え。俺の嗅覚は大したもんだ。店内はまだガラガラで、カウンターの好きな場所に座れた。どうやら店主はメタルやハードコアが好きなようで、モニターにはロックの映像が流れている。そして、いたるところにPay money To my Painというバンドのポスターやらカレンダーやらが貼ってあった。
▼これが「Pay money To my Pain」だそうです
メニューを見ると沢山のドリンクやモツの部位がある。ちょっと楽しそうだ。
あ、でも料金は全体的にちょっと高めね。
先ずはモツ煮。これは見た目ドス黒いが、よく煮込んであって美味かった。甘辛な味付けがビールを促進させた。そしてガツ刺し。これはこの店特有のピンク色のディップに付けて食べるのだが、辛味噌に紅生姜が擦り込んであってとてもインパクトがあった。
▼モツ煮とガツ刺し
この辛味噌はもつ焼を注文しても横にちょこんと付いてくる。あとは思わず東松山のもつ焼や秋元屋系を想像してしまうが、どうやら違うらしい。隣りの席のアウトドアヒッピーみたいな人が新宿しょんべん横丁の「ウッチャン」で修行した人がお店を出したのだということを教えてくれた。
あと、この店の特徴は酎ハイ系を注文すると、焼酎がシャリシャリのシャーベットになっているところ。だからグラスに氷が入ってない。これでホッピーを頼むと全然美味しくなかった。ちゃんと全部解けるまで味が薄いのだ。
そして、カウンタードリンクバーの前に座っていたので、良く出ているドリンクが分かる。「ジンジャーエールハイ」と「生チューハイ」が圧倒的に多かった。
▼ジンジャーエールハイ
ジンジャエールハイは美味かった。濃ゆいジンジャエールに本物の生姜の摺り下しが入っている。そして、生チューハイの方はその生姜の摺り下しがちょっと多めにチューハイに入っているのだ。これは美味!最初っからこれ飲んでおけばよかった。
▼名物「生姜の摺り下し」
べろっべろになって水道橋から黄色い電車で帰った。
前に座っているオヤジがなかなか降りないので津田沼駅まで無事に寝過ごさずに帰れた。
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もつ焼・煮込み「でん」/水道橋
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