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ボーカルギターくんが話しかけてきた。
「何気に嬉しいのはLONSDALEのパーカーを着てることです」
なるほど。
僕のファッションを褒めてくださっている。
緊張もほぐしてくれている。
気遣いだろう。
実はメンバー全員極度の人見知りらしい。
話してみると凄くやさしい人たちだった。
僕はセッション用人型決戦兵器である、EASTWOOD社のスクロールベースを持ってきている。
フレットレスだ。理由は単純で・・・
“ハッタリ”が効く。
考えてもみたまえ。
いきなり初めましてでフレットレスだよ。
僕みたいなヘタくそなベーシストは竿で勝負するしかないのだ。
効果はバツグンだった。
音量が足りない場合用にブースターも持ってきた。もちろんシールドもライブ用のカールコードである。
セッティングは終了した。
何の曲をやるかメンバー同士で相談している。
コード進行が簡単なやつを探してくれてるみたいだが、ここは僕が覚えてきた曲をリクエストした。
せーのっ!
ドンドコドンドコ♪
ジャーン♪ジャガジャガジャーン♪
こっからベースがブーン♪ブーン♪ブーン♪
一夜漬けにしては、結構出来たな。
そして、みんな上手いよ。
実はこの1曲目の演奏で僕がメンバーになることが決められていたらしい。
もっと細かく言うと最初の「ベースがブーン♪ブーン♪ブーン♪」のくだりでメンバー全員ピンときたらしいのだ。
ほれ、俺は天才だからな。
そして、僕のP(35)バンドの印象である。
実はYouTubeで観たときにちょっと音が細いイメージだったのだ。
ただし、それは2009~2010年の音源と映像。
今は2014年である。
YouTubeしか観ていないが、あれから4年経っても音が同じだったら、バンドへの加入は見送るつもりだった。僕より8つも若いし、探せば他にいくらでもベースはいるだろう。
しかし、音はマイスペと全然違っていた。
結局マイスペの曲はほとんど演らなかった。
音のカタマリ感が凄くいいロックンロールバンドに成長していた(←動画しか観てないのに偉そう)。メンバー全員の面構えもカッコよくなっていた。
この4年で彼らは進化していたのだ。
そして、まだ僕が聴いたことがない曲をやろうということになった。
ギターくんがホワイトボードにコードを書いた。
シンプルなロックンロールだった。
僕は情けないかな、ルート音をズル弾きだった。
でも、これで僕の方は加入を決意した。
もう1回やろうとした時に、僕はタンマをかけた。
メンバーになれないならこれ以上は演奏しても意味がない。
で、どうなのよ?と。
はい、満場一致で加入が決まりました。
その後は、バンドの簡単なルールを聞いたり、僕も質問したり。
で、時間がもったいないからライブでやるであろう曲を全部ベース抜きで演奏してもらった。僕はICレコーダーで録音した。
次回のスタジオにこれにベースを入れてくれば、1曲づつ覚えてくるよりもかなり進むだろう。
後半はベースを弾かないで録音作業という、新しいスタイルのジャムセッションだった。
スタジオは終わり、the patch'sのメンバーさんと挨拶した。コワモテだったけど優しかった。
帰りは終電ギリギリだった。
ほんのちょっと疲れた。
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