Quantcast
Channel: BOOGIEなイーブニング!
Viewing all articles
Browse latest Browse all 803

吉田類ゴッコ#015「やきとん ま〜ちゃん」/御徒町

$
0
0

徒町の駅で待っている。

艶女(アデージョ)と待ち合わせだ。実は先日フラレたモツ焼屋に、再チャレンジするのだ。方々に声を掛けたが今回は誰も誘いに乗ってこなかった。

しめしめ。

これで、とうとう艶女(アデージョ)としっぽり、差しつ差されつの酒が呑めるではないか。

長かった。

気がつけば、いつも邪魔がいた。

若大将に青大将
みたいなもんだな。


いや、大ちゃんに西
みたいなもんか。


いやいや、のび太と出来杉くん
みたいだろ。


あと、ちょっとってところで、ハッチはホモなの?と醤油皿に餃子をぼっちゃんと落とされたこともあったな。カラオケに行って、「イジケルなベイベー」を歌われたこともあった。そんなことに想いを馳せながら、艶女(アデージョ)を待っていると、彼女は颯爽と現れた。高級そうなバッグを抱えていたが、まさか、このバッグがファッションセンターしまむらで、3000円だとは思えまい。艶女(アデージョ)が持つと、0(マル)が2コ増えるのな。



さて、前回同様昭和通りを抜けて、うら寂しい夜のディープ御徒町へ。もう何日か前に来たばっかりなので迷わない。高速道路の下で鳥打ち帽を渡して、いよいよ吉田類ゴッコの始まりだ!

吉田類ゴッコとはBS-TBSの人気番組「吉田類(ルイ)の酒場放浪記」のマネをして、鳥打ち帽をかぶって居酒屋を巡ろうという企画。放浪のお相手はそのつど変わる予定。今回のお相手は艶女(アデージョ)ことサチさん。





看板前まで来ると男性の先客が1人、微妙に離れて女性が1人。このビミョーに離れている女性をカウントせずに、男性の横に並んだ。気のいい男性客は「すぐ空きますよ」と言って、店員を呼んで、僕らが並んでいることを店側に伝えてくれた。

なんていい人なんだ。

大人しそうな女性は、相変わらず、微妙に離れた位置で、スマホをイジっている。しかし、店員さんにハッキリと確認されたのは、気のいい男性と我々だけだ。これは、公式といっていいだろう。オフィシャルな列はここからだ。

気のいい男性は、すぐにカウンターが空いて、入っていった。

我々が先頭だ。

こっから長かった。

ハンパなく待った。

ラーメン屋じゃないから、そんなに回転しないのだ。それは分かっている。分かってはいるが時間の目星がつかない。みんな凄く楽しそうに、じっくりと呑っているのだ。


おまえら
その宴
いつ終わるんだ?

席が1つ空いた。
でも、ダメだ。
1つじゃダメなんだ。


あぶなく艶女(アデージョ)を蹴落として、自分だけあの席に座ろうか、とも考えた。

そんなことして
どうすんだ!

ていっ!

自分で自分にビンタした。

微妙に離れていた女性は、オトコが来ると急に元気になり、はしゃぎ始めた。そして我々の後ろに並んだ。

朦朧とする意識の中、それでもなんとか待っていられたのは、艶女(アデージョ)のおかげだろう。なんとか2人で支え合い、堪えて堪えて、堪えまくっていたら、店主が声をかけてくれた。

お待ちの先頭さんは?

すると、微妙に離れていた女性は「どうぞどうぞ」と譲ってくれた。

あ、当たり前である。

当たり前ではあるが、店の前に先に居たのは、間違いなくこの女性なのだ。僕は震えるような小声で「僕らです」と、しゃーゃーと言ってのけた。艶女も微妙な間合いで女性と顔を見合わせていた。

「ちょっと背の低いイスがあるんですが、それを出せば2人で座れますよ」

ちょっとビックリしたが、この店ではよくある事だと言う。それならばと、丸い木のイスを出してもらい、ようやく座った。

確かに低い。

これじゃ、子供がお父さんに連れられて、近所の焼鳥屋さんに来ちゃったみたいではないか。

おう坊主!
元気か?


なんて言われても不思議じゃないくらい、そのイスは低かった。不思議な視線からの、カウンターの景色。類(ルイ)は小学生に逆戻りした感覚である。

さて、そんなことはどうでもいい。

まずはホッピーを、艶女(アデージョ)はバイスサワーを注文し、やっとこさ乾杯と相成った。僕はこのカドの席に、みんなより50cmは低いイスでお邪魔している。しかし、この、しがみついてでも席を勝ち取る姿勢ってのは、まさしく類(ルイ)らしい、泥臭い入店の仕方じゃないのかな。

もう、
なにがあっても
絶対にこの席を
離さない!


▼おまけのカド席


だが、座ってわかったのだが、このカドという位置はステキだ。両カウンターのお客さんが一望できる。みんな楽しそうに、食ってる食ってる。そして、最初に頼んだモツ煮(玉子入り)を注文。このモツ煮で、いきなり延髄にイナズマが走った。

▼モツ煮(玉子入り)






僕と艶女は
一緒に立ち上がり
こう叫んだ。





ダーーーッ!







そう、木村健吾のイナズマレッグラリアットを超えた衝撃が延髄にヒットしたのだ。それは猪木の延髄斬りとしか例えようがない。焼きはハツとタンを頼んだ。

▼ハツとタン



すべての焼きを食べる度に、
立ち上がり…





ダーーーッ!



をやってしまった。




本当に美味い。修業先の秋元屋を超えているんじゃないか。洗練されながらも、実にディープ。素材、焼き加減、塩加減が本当に素晴らしい。そして、辛味噌味も超絶に美味かった。ここを食べちゃうと、他の店のモツ焼きは、ちょっとキツいな。特にシロコロは、この店に来たら絶対食べて欲しい。口に入れると肉汁と脂味が、ジワーっとお口いっぱいに広がるのよ。

▼シロコロとテッポウ

(↑艶女気迫のナックルパートが、右下に見切れている。)

ホッピーの「ナカ」を注文したら、とんでもなく濃ゆかった。もう、ブルッと来るぐらい濃ゆいの。だから結局2~3杯しか呑めなかった。それでも足にキタね。

我々は、イスもちゃんとしたのに変わって、席も焼き場の前に移動した。すると実に魅力的な焼きものを焼いている。ニンニクの芽、そしてカブの肉巻き。

▼ニンニクの芽


▼カブの肉巻き






これを食べても…





ダーーーッ!







我々はドリンクのラストオーダーのタイミングで帰ることにした。腹がパンパンになるまで食べて、ベロベロになるまで呑んで、お1人様3000円ちょっとだった。


実にいい店だった。


さて、
もう一軒寄って
帰ります。



Viewing all articles
Browse latest Browse all 803

Trending Articles