GWに山仲間と船橋加賀屋に行った。
いや、違うな。これは、イーストトーキョーの居酒屋仲間と呼んだ方が妥当だな。そのメンバーの中に飯田橋に住む、敏腕編集者のトレラン袋田氏がいて、船橋の加賀屋に来たことがないというので、じゃあ、是非とも船橋加賀屋で一杯やりましょうということになった。この企画は、3月頃から決まっていたのだ。
そして、現地(船橋加賀屋)に集合することになっていた。
僕はサイクリングがてら、早めに自転車で出発した。前回の高尾山登山で、帰りに、巨悪を追うジャーナリストの石和氏が、フレームパックに入り切らなかったコッヘル(登山用の食器)とガスコンロを僕が預かっていたのだ。ARC’TERYXのメッセンジャーバッグにそれらを押し込んで、自宅からの出発である。
4連休の初日。快晴ということもあり、自転車をこぐと、かなり気分がいい。
かなり気分がいいのだが、この無造作にバッグに入れたコッヘルとガスコンロが異常に重い。
そこで、ちょっと考えた。
どうせ、この重いコッヘルとガスコンロを持って行っても、恐らく巨悪の石和氏はへべれけになって、まともに持って帰れないだろう。そうすると、また今回も僕が預かるかもしれない。そんなことになったら、僕はただのコッヘルとガスコンロを運ぶ人になってしまう。
まるで好日山荘の
物流担当じゃないか!
それだけは避けたいので、サイクリングの到着目標を、いつも行く茜浜の部室ではなく、船橋の海浜公園にした。そうすると巨悪の石和氏の自宅を経由して、無理なくたどり着ける。先に巨悪の石和氏に会って、コッヘルとコンロを渡してしまおうと思ったのだ。
しかし、巨悪の石和氏の家は、なかなか見つからなかった。いつも夜中にベロンベロンになってタクシーで伺うので、自転車で行ったことはない。というか、彼の自宅の最寄り駅に行くのすら、分からなかったのである。
iPhoneで調べながら、なんとかたどり着いた。
荒野の七人に出てくるユル・ブリンナー似の巨悪の石和氏の父上が訝しそうに僕を見ていたが、事情を説明すると思い出してくださった。そう、2年ほど前に朝食までご一緒したのだ。
▼ユル・ブリンナーさん
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玄関先で、巨悪を追うジャーナリストの石和氏と会い、コッヘルとガスコンロを手渡すと、お茶でも飲んで行かないかと誘われた。2階にある彼の部屋に通されてお茶をいただきながら、今日の船橋加賀屋会の打ち合わせを軽くした。
パソコンを見るとビッシリと週刊誌の連載原稿のテキストデータがある。プリントアウトした原稿に赤字でチェックを入れている最中だった。
さすが人気ジャーナリストだけのことはある。先生はGWの朝からご執筆だ。
時計を見ると14時である。待ち合わせまで時間が15時40分なので、中途半端な時間になってしまった。この際、トレラン袋田氏を早めに呼んで船橋観光をしましょうということになった。
それだけは避けたいので、サイクリングの到着目標を、いつも行く茜浜の部室ではなく、船橋の海浜公園にした。そうすると巨悪の石和氏の自宅を経由して、無理なくたどり着ける。先に巨悪の石和氏に会って、コッヘルとコンロを渡してしまおうと思ったのだ。
しかし、巨悪の石和氏の家は、なかなか見つからなかった。いつも夜中にベロンベロンになってタクシーで伺うので、自転車で行ったことはない。というか、彼の自宅の最寄り駅に行くのすら、分からなかったのである。
iPhoneで調べながら、なんとかたどり着いた。
荒野の七人に出てくるユル・ブリンナー似の巨悪の石和氏の父上が訝しそうに僕を見ていたが、事情を説明すると思い出してくださった。そう、2年ほど前に朝食までご一緒したのだ。
▼ユル・ブリンナーさん

玄関先で、巨悪を追うジャーナリストの石和氏と会い、コッヘルとガスコンロを手渡すと、お茶でも飲んで行かないかと誘われた。2階にある彼の部屋に通されてお茶をいただきながら、今日の船橋加賀屋会の打ち合わせを軽くした。
パソコンを見るとビッシリと週刊誌の連載原稿のテキストデータがある。プリントアウトした原稿に赤字でチェックを入れている最中だった。
さすが人気ジャーナリストだけのことはある。先生はGWの朝からご執筆だ。
時計を見ると14時である。待ち合わせまで時間が15時40分なので、中途半端な時間になってしまった。この際、トレラン袋田氏を早めに呼んで船橋観光をしましょうということになった。
巨悪の石和氏の家を出る。
どのみち、へべれけになった石和氏を、また家まで送るはめになると予想し、自転車を石和氏邸の庭先に停めさせてもらった。今日明日、石和氏の御母堂は泊まりがけで婦人会の旅行に行っているから、多少置いていても、邪魔にはならないだろう。船橋駅前に停めるよりは遥かに安全なのだ。
しかし、石和氏は、
どうして自転車を
どのみち、へべれけになった石和氏を、また家まで送るはめになると予想し、自転車を石和氏邸の庭先に停めさせてもらった。今日明日、石和氏の御母堂は泊まりがけで婦人会の旅行に行っているから、多少置いていても、邪魔にはならないだろう。船橋駅前に停めるよりは遥かに安全なのだ。
しかし、石和氏は、
どうして自転車を
自分の家に置いて行くのか
小首を傾げていた。
まぁ、あと6時間もすれば、絶対に僕の行動が正しいことに気がつくはずである。まぁ、そのころには、船橋加賀屋特製のハイボールでへべれけになっているだろうけど。
船橋駅で15時にトレラン袋田氏と落ち合い、船橋観光となった。
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ただ、船橋をご存知の方はお分かりいただけると思うが、船橋駅周辺には何も観るべきところがない。ストリップ劇場の跡地や夜の歓楽街を陽の明るい内に回り、「厳島神社」や「つるや伊藤」なんかをふらふらと見て加賀屋に向かった。
船橋加賀屋に戻ると、すでに待っているお客さんがいた。前から3番目に並んだが、すぐに長蛇の列になった。
ここに後から来た、ヤミ居酒屋の店主兼ライターの湯ノ田氏も合流して全員集合である。
さて、船橋観光の会のスターティングメンバーを紹介しよう。
・巨悪を追うジャーナリストの石和氏
・なかなかトレランしない敏腕編集者の袋田氏
・チャーリーブラウンに似たカメラマンの雲仙氏
・ヤミ居酒屋の店主兼ライターの湯ノ田氏
・僕
16時ジャスト開店と同時に、どどどっと店内へなだれ込む酔いたい人。我々も、ほぼベスポジで全員が座れた。まずは飲み物を若い兄ちゃん店員に注文する。このインパルス板倉のような風貌の兄ちゃんが、イチイチ機嫌が悪い。
▼インパルス板倉
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なので、以後は僕のお気に入りのエキゾチックな女子店員が通るのを待って、注文するようにした。この娘はいつでもニコニコ元気印だ。
トレラン袋田氏に、船橋加賀屋名物の特製もつ煮とレバ刺しを食してもらった。そして、特製ハイボール。これは3杯呑んだら致死量とかうわさ話が先行してしまい、腰の引けたトレラン袋田氏は炭酸2本を使い、超薄めて呑んでいた。
▼特製ハイボール
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▼レバ刺し
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ちぇ。
ここで、ヤミの湯ノ田氏からお題が出た。
真剣なお題だ。
実はここのトイレは、入口と洗面所は男女共用なのだが、その洗面所で入れ歯を外して、ゴシゴシ洗っている同じオババと2度も遭遇したらしいのだ。そのオババは恥じらいを見せて慌てて入れ歯を口に締まったらしいのだが、その時にヤミの湯ノ田氏はウィットにとんだ挨拶が出なかったというのだ。
くやしいと。
普段は下町の居酒屋がああだこうだとエラそうに講釈しているクセに、こんな時にオババにエスプリの効いた、ジャームズ・ボンドのような挨拶が出来ない自分に、酷く失念したらしい。
しかし、意外とオババは我々の近くの席だったので、この話し自体もオババにマル聴こえだった可能性はある。
程よく酔い、笑い、2時間ぐらいグダグダとして、次の店に移動した。次の店は船橋名物のソースラーメンである。大輦 御殿通店に向かった。満席だったのでカウンターに5人一列に並んだ。僕はソースラーメンはもういいので、普通のもやしそばとライスと生ビールを頼んだ。
▼大輦 御殿通店
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▼もやしそばとライス
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これは美味かったのか、不味かったのか。
腹を撫でながら店を出ると、いつのまにか水先案内人がヤミの湯ノ田氏に代わっていた。湯ノ田氏は大昔っからやっている定食屋兼飲み屋の「花生食堂」という店に全員を誘導したいらしかった。
しかし、ヤミの湯ノ田氏が先導して訪れる店に、我々は入れた試しがない。10連敗中なのである。僕は心の中で密かに願った。
どうか、ヤミの湯ノ田氏プロデュースの店が満席で、入れませんように。11連敗しますように。
店の暖簾をくぐる、ヤミの湯ノ田氏。
生憎、満席だった。
我々は船橋駅ガード下の「もつ焼 登運とん」に移動した。
▼もつ焼 登運とん
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▼モツ煮
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当然だが、加賀屋行って、ソースラーメン食っているのでビタイチ腹は減っていない。僕は酎ハイだけ呑んだ。モツ煮も美味そうだったが、箸をつけられなかった。
全員がベロンベロンになって、お開きとなった。それはそれは楽しい飲み会だった。
僕は案の定ベロンベロンになった巨悪の石和氏を介添えしながら、彼の邸宅に戻り、停めてあった自転車を引きながら自宅までの道のりを歩いた。
夜空の星を見ながら、ヤミの湯ノ田氏のお題を思い出した。恥ずかしそうに入れ歯を仕舞う、乙女のようなオババに対するウィットにとんだ返し。
全く思いつき
小首を傾げていた。
まぁ、あと6時間もすれば、絶対に僕の行動が正しいことに気がつくはずである。まぁ、そのころには、船橋加賀屋特製のハイボールでへべれけになっているだろうけど。
船橋駅で15時にトレラン袋田氏と落ち合い、船橋観光となった。




ただ、船橋をご存知の方はお分かりいただけると思うが、船橋駅周辺には何も観るべきところがない。ストリップ劇場の跡地や夜の歓楽街を陽の明るい内に回り、「厳島神社」や「つるや伊藤」なんかをふらふらと見て加賀屋に向かった。
船橋加賀屋に戻ると、すでに待っているお客さんがいた。前から3番目に並んだが、すぐに長蛇の列になった。
ここに後から来た、ヤミ居酒屋の店主兼ライターの湯ノ田氏も合流して全員集合である。
さて、船橋観光の会のスターティングメンバーを紹介しよう。
・巨悪を追うジャーナリストの石和氏
・なかなかトレランしない敏腕編集者の袋田氏
・チャーリーブラウンに似たカメラマンの雲仙氏
・ヤミ居酒屋の店主兼ライターの湯ノ田氏
・僕
16時ジャスト開店と同時に、どどどっと店内へなだれ込む酔いたい人。我々も、ほぼベスポジで全員が座れた。まずは飲み物を若い兄ちゃん店員に注文する。このインパルス板倉のような風貌の兄ちゃんが、イチイチ機嫌が悪い。
▼インパルス板倉

なので、以後は僕のお気に入りのエキゾチックな女子店員が通るのを待って、注文するようにした。この娘はいつでもニコニコ元気印だ。
トレラン袋田氏に、船橋加賀屋名物の特製もつ煮とレバ刺しを食してもらった。そして、特製ハイボール。これは3杯呑んだら致死量とかうわさ話が先行してしまい、腰の引けたトレラン袋田氏は炭酸2本を使い、超薄めて呑んでいた。
▼特製ハイボール

▼レバ刺し

ちぇ。
ここで、ヤミの湯ノ田氏からお題が出た。
真剣なお題だ。
実はここのトイレは、入口と洗面所は男女共用なのだが、その洗面所で入れ歯を外して、ゴシゴシ洗っている同じオババと2度も遭遇したらしいのだ。そのオババは恥じらいを見せて慌てて入れ歯を口に締まったらしいのだが、その時にヤミの湯ノ田氏はウィットにとんだ挨拶が出なかったというのだ。
くやしいと。
普段は下町の居酒屋がああだこうだとエラそうに講釈しているクセに、こんな時にオババにエスプリの効いた、ジャームズ・ボンドのような挨拶が出来ない自分に、酷く失念したらしい。
しかし、意外とオババは我々の近くの席だったので、この話し自体もオババにマル聴こえだった可能性はある。
程よく酔い、笑い、2時間ぐらいグダグダとして、次の店に移動した。次の店は船橋名物のソースラーメンである。大輦 御殿通店に向かった。満席だったのでカウンターに5人一列に並んだ。僕はソースラーメンはもういいので、普通のもやしそばとライスと生ビールを頼んだ。
▼大輦 御殿通店

▼もやしそばとライス

これは美味かったのか、不味かったのか。
腹を撫でながら店を出ると、いつのまにか水先案内人がヤミの湯ノ田氏に代わっていた。湯ノ田氏は大昔っからやっている定食屋兼飲み屋の「花生食堂」という店に全員を誘導したいらしかった。
しかし、ヤミの湯ノ田氏が先導して訪れる店に、我々は入れた試しがない。10連敗中なのである。僕は心の中で密かに願った。
どうか、ヤミの湯ノ田氏プロデュースの店が満席で、入れませんように。11連敗しますように。
店の暖簾をくぐる、ヤミの湯ノ田氏。
生憎、満席だった。
我々は船橋駅ガード下の「もつ焼 登運とん」に移動した。
▼もつ焼 登運とん

▼モツ煮

当然だが、加賀屋行って、ソースラーメン食っているのでビタイチ腹は減っていない。僕は酎ハイだけ呑んだ。モツ煮も美味そうだったが、箸をつけられなかった。
全員がベロンベロンになって、お開きとなった。それはそれは楽しい飲み会だった。
僕は案の定ベロンベロンになった巨悪の石和氏を介添えしながら、彼の邸宅に戻り、停めてあった自転車を引きながら自宅までの道のりを歩いた。
夜空の星を見ながら、ヤミの湯ノ田氏のお題を思い出した。恥ずかしそうに入れ歯を仕舞う、乙女のようなオババに対するウィットにとんだ返し。
全く思いつき
そうにない。