幕張にいる。
ライブ&イベント産業展に行ってきた
ペダル交換と定期点検
オカンにツールドフランス見せてみたww
実家に帰った。
Modulusが呼んだ不思議な不思議なベースの話し
凄く不思議な話しがある。
僕がやっているブログのコーナーで、「このベースが欲しい」ってヤツがあるんだが、要するに他人のベースの写真を引っ張り出して、嗚呼欲しい!嗚呼欲しい!と言うだけの企画だ。このコーナーの冒頭に必ず言うセリフがある。
“画像もどっかから拾ってきたものなので「オレのベースの写真を勝手に使いやがって」ってなっても、あなたの楽器を憧れているんだから広ーい心で許して欲しい。”
まぁ、こうは書くけど細心の注意を払って、海外のサイトから画像は拾って来ているのよ。
記念すべき第1回は、僕が最も欲しいモデュラスのファンクパーセーションだった。詳細はこちらのリンクから読んで欲しい。
↓↓↓
このベースが欲しい#1
ところが、あなたの楽器を憧れているんだから、広ーい心で許して欲しいなんて冗談で書いたら、画像の楽器の持ち主が突然このブログのコメント欄に現れたのだ。
初めまして、
この、ベース 多分 私が所有して
いる物だと思います。
木目など、多分同じ物かと?
ブログ、文書大変面白く読ませて頂きます
ぐえっ!
確かにアメリカのサイトから画像を拾ってきたのだが、そのベース「Modulus Funk Persuasion」は海を渡り、日本の心斎橋に一旦着地して、そしてデジマートで速攻で彼に発見されて購入、東にスライドして彼の住むこの千葉県に来たというのだ。
▼米国サイトのFunk Persuasion
持ち主は43014301777さんという。
この2029年の未来から来た機械軍の殺人兵器、ターミネーターのIDのような名前の人物に早速アクセスした。ベースへの愛は殺人マシーンをも凌駕するのだ。そして、その経緯を酒の肴に一杯やりましょうよとお誘いした。気が変わられるとマズいので考える隙を与えず、スケジュールも翌週にした。
割と僕の家からご近所にお勤めということと、居酒屋がお好きとの事なので、密会場所は第三埠頭じゃなくて、船橋加賀屋を逆指名されてきた。
ハッチのブログ読んでるねー!
会合当日。
船橋駅前で雑踏の中、15分前から待っている。今日は酒を呑むのに自転車で来てしまったが、帰りは自転車を押して帰るつもりだ。海老川沿いの土手なら公道ではないのでそこは漕ぐけどな。行きは台風がウロついていて凄い風だった。ちょっと早く到着するかと思ったが向かい風に煽られて15分前着だ。デューク東郷ならとっくに着いて地形を調べあげ、最高のポジショニングでターゲットを待つだろう。俺は国際的A級スナイパーとしては、まだまだだな。
お互いの服装を言い合っている。俺はすでにブログで顔バレしているのでターゲットからは分かるだろう。俺のような国際的B級スナイパーはアメブロをやっているということだ。
問題はターゲットの43014301777さんの衣装だ。黒いTシャツにデッキーズの短パン、バンズのスニーカーだそうな。完全にスケータースタイルだが、油断は禁物だ。今日日黒いTシャツなんて幾らでもいるし、バンズはABCマートが取り扱うようになってから、国民的シューズになっている。
僕より4つ年上の先輩なので、短パンのお兄さんを探した方が確実である。それからの俺は、短パンのお兄さんに敏感なおじさんと化していた。多分、側(はた)から見たら…
短パンハンターだろう。
そして、今まさに目の前にデッキーズのデニムの短パン、足にタトゥーを入れている身長2mの厳ついスケータースタイルの先輩がいるのだが、黒いTシャツの上に紛らわしいことにネルシャツを羽織っている。年齢はまさにビンゴなのだが、話しかけようか迷っていた。なぜ、迷っているか…
ジャンレノそっくりの
外人さんだからだ。
コメント欄には人種まで書いていなかったし、お子さんがカラテをやっているのも今思えばガイジンっぽい。なにより間違いなくスケートスタイルだ。東洋人はこちらの思い込みなのかも知れない。こりゃ、もう行くしかねーだろと決意して一歩踏み出した時に、後ろから突然「ハッチさん!」と声を掛けられた。
43014301777さんは
船橋のジャンレノではなかった。
あぶねー、あぶねー。
とりあえず自己紹介してから、船橋加賀屋に向かう。船橋加賀屋はお初ということなので…
時間が経つと白く固まる脂の多い「モツ煮」
ニンニクを大量に使っているので、食った後電車に乗ると確実に隣りのOLがハンカチで鼻を押さえるという「スタミナ焼き」
そして、生ビールを経由してから、
3杯呑むと致死量と言われている特製ハイボールをちょっとひよって「2個割り」
を注文した。
そうそう!43014301777さんのベース、あれは紛れもなく海外の写真のドンズバだった。サウンドもネックがグラファイトなのにトレブリー感は無く、ナチュラルなプレべサウンドなんだそうな。バルトリーニのP-BASSピックアップも申し分ないだろう。その後、モデュラスは倒産するので、本数としてめちゃくちゃ少ない不遇のモデルである。
▼43014301777さんのFunk Persuasion
その手に入れた経緯も大変面白く、めちゃくちゃいい酒の肴だった。気がつくとあっという間に2個割りを2杯呑んでいた。
結果、酔った。
話しはお互いのバンドにまで及んだ。色々な話しをしていると、習志野のシオンというスタジオや薬円台のネスト、そして習志野のロックバー「STRAY DOG」にまで話しが及んだ。僕が5年前に小岩のM 2ndというスタジオでバンド練習している時に系列店のM SEVENというライブハウスのスケジュール表が貼ってあったのだが、毎月このスケジュールに「習志野駅前ストレイドッグ」というバンド名が企画で入っていたのだ。この「習志野駅前」ってのが気にはなっていたのだが、なかなか2個手前の習志野駅で降りる用事もないし、すっかり忘れてしまっていた。この習志野駅前ストレイドッグの店長さんと43014301777さんは同級生なのだそうな。
早速、船橋から習志野に電車で向かうことになった。この際、自転車は船橋駅に置いていく。
21時頃に着いた。
駅から2秒の場所にあり、店内は実にロックな雰囲気がある。値段もめっちゃリーズナブルだ。その同級生の店長さんは終始にこやかで楽しくお酒が飲めた。他にお客さんもいなかったので43014301777さんはアコギを披露してくださった。
しかし、ギターを弾きだすと店長のミュージシャンの血が騒ぐのか、目つきがスパルタンに変わる。ついにはメトロノームを出してきて…
「早いっ!」
「早いよ!」
「走ってる!」
いつの間にか43014301777さんのアコギ猛特訓になっていた。そんなこんなで「あっ!」つーまに時間は過ぎ、御開きタイムに。
時計は1時を回っていた。
そして、僕らはお別れした。
少し台風の香りがする、
楽しくて、そして不思議な
夏の熱い夜だった。
最後に43014301777さんが勧めてくれた鬼頭径五さんの曲でお別れしよう。
あ、ちょっとタンマ!
今週日曜日にEDDIE PUMPKIN'S HIGHのライブがあります。
【ちらりインフォメーソン】
EDDIE PUMPKIN'S HIGH ライブ情報
7月19日(日)稲毛K’s DREAM
w)Far Apart Daily Life/THE BEBOP/STAY-HI
and more...
OPEN 18:00 START 18:30
adv¥1,500+D doors¥1,800+D
※エディパンはトリで21時からです!
エディパンライブ@稲毛K's DREAM
京成稲毛にいる。
日曜日はエディパンのライブだった。
今回はEDDIE PUMPKIN'S HIGHのライブにお越しいただいた方、ありがとうございました。
愛しております。
また、本当は来たかったのにスケジュールの都合が付かず、念だけ送ってくださった方、ありがとうございました。
届いておりました。
今度は来てね。
*
若干二日酔い気味の身体を引きずり、朝から行動したのだが、遅刻しそうになったので、今回は初めて京成稲毛駅からライブハウス、稲毛K's DREAMに向かうルートを選んだ。
Yahoo路線検索によると乗り換え時間は1分しか取っておらず、京成津田沼駅で足止めを食らったのだが、反対方向で待機している電車のクーラーで涼んでいたら、ポンポンが急速に痛くなってしまった。俺のポンポンは戦闘メカ ザブングルに出てくるイノセント並みに弱く出来ているらしい。
いや、もう3日間も飲み続けているせいに違いない。その3日間とも深~い呑みなのだ。
しかし、6分しか時間がない。これに乗り遅れると完全に遅刻すると思ったが、この6分に賭けた。だいたいこういう突発的なポンポン痛い痛いは、最初の第一波を出してしまえば落ち着く傾向にある事を、俺は長い腹痛との闘いで熟知している。その第一波を出してやって、ケツ拭いて6分。実戦を積んだ漢の中の漢だけが遂行できる任務だ。
この6分で第一波を出す奥義は他にも使い用がある。
彼ちゃまとの初めてのデートでディナーなんかをする時に緊張で腹具合が悪くなった時にまるで(小)をする時間で(大)をするという技に応用出来るワケだ。
それと都内の小さいドトールなどのトイレが並ぶプレッシャーのかかる状況にも対応できる。
まぁ、そんな感じで俺はこの第一波だけを6分で出すべく、仔山羊のように震えながら崖のようにそびえるホームの階段を登ったのだ。
頂上まで登ると剱岳に初めて登った柴崎芳太郎のように愕然としてしまった。まさにそこは…
工事中で簡易トイレだったのだ!
一度心が折れかけた。なにせ手にはスーツとデカいトートバッグ、背中にはベースという大荷物。それを簡易トイレに持ち込むというのは中々勇気がいる。大体簡易トイレなんてのは、どちゃくそ色々飛び散らかって、狭くて汚いイメージだからに他ならない。そんな時、リハーサルでベースが居なくヒーヨヒーヨと巣で鳴くヒヨドリみたいなメンバーの顔を思い出し、思い切って簡易トイレのドアを開けたのだ。
しょんべん臭いが
意外と綺麗でした。
そっから第一波をバホッと済ませ、念入りにケツを拭いて簡易トイレから飛び出し、手を洗い、濡れてのまんま電車に飛び乗ったのだ。
ジャスト6分!
電車には間に合ったが汗だくだくだ。
簡易トイレは死ぬほどの熱さだった。
砂漠の狐と謳われたドイツ戦車隊のロンメル将軍もあの灼熱には敵わないだろう。
俺は思ったね。
このミッションを遂行できる人間は、世界中どこを探してもジェームズ・ボンドかイーサン・ハントか、はたまたデューク東郷以外なら俺だけしか出来ないな、と。
しかし、慌てて飛び乗ったので、汗だくだくだ。カッコ悪いったらありゃしない。これからダイスを転がして、華やかなミッドナイトクラブヘブンでロックンロールショーを演るってぇーのに、ロックスター台無しだな。
まぁいいか。
京成稲毛駅に着いたら、そっからうっすら登り坂ってのが計算違いだったのと、JR稲毛駅からより若干遠いってのも計算外だった。
本日のハコであるK’s DREAMに着くとEDDIE PUMPKIN’S HIGHのメンバーさんが機材をせっせこせっせことアリさんマークの引越屋さんみたいに運んでいらっしゃったので、何食わぬ顔で横をスルーした。
ギリセーフ。
1バンド目のリハだったので、すぐに用意をしてステージへ。するとPAの人がどっかで見たことがあるような気がした。全然思い出せないが、どっかで見たことがあるのだ。悶々としているうちにリハは終わった。今日もK’sはグッドサウンド。ベースの返しも完璧だった。
後でスミタ氏が教えてくれたが、PAのイケメンお兄さんは、船橋加賀屋でスミタ氏と飲んでいる時にバッタリ会ったのだった。
あの日は完全に記憶が飛んでいたし、自転車のペダルは壊したし、色々やっちゃってたな。
さて、リハが終わったら本番まですごーく時間が余った。その時間たるや5時間ぐらいか。5時間4人で仲良くお話しをする術を身につけていないので天狗さまの御力を借りることにした。なーに、駅前の居酒屋「天狗酒場」でちょっと引っ掛けるだけだ。
大丈夫、大丈夫、演奏には支障が無いように飲むから。
禁断のホッピーに手を出してしまった。
そっからは時間が経つの早かったね。まだ酔っているのにあっつー間にライブよ。なんかファイナルファンタジーでやり始めにAボタン連打してたら肝心なストーリー飛ばしちゃったくらいの感じ。
そしてオープニングSEが流れてステージに立ったさ。
Photo By 肉丸先生(自慢☆毛)
楽しかったね。
なんかね、デブ2人組がハコがオープンしても最初っから最後まで、ずーっと楽屋でギターの練習して居座ってて感じ悪かったけどさ、もう悟りを開いたね。他の演者が僕らのライブを観ていなくても気にしないさ。僕はなるべく観るけどね。
人は人、俺は俺。
さて、次回のエディパンさんは8月2日(日)稲毛爆音御礼祭というイベントに出ます。
稲毛海浜公園の音楽堂で、稲毛K’s DREAMが主催する野外のフリーイベントです。持ち時間は各バンド10分、総勢24バンドが出ます。海岸沿いにあるステキな音楽堂ですよ。
出順は朝8時半からくじ引きで決まります。
ライブは10時30分からスタートですが、エディパンが何バンド目になるか当日にならないと皆目分かりません。
そんなイベントなので「是非来てください!」とか言えませんし、告知なんて以ての外なのです。
ベーシスト飲み会 in 秋葉原
今日はベーシスト飲み会だ。前々日にNaoパイセンから誘われたのだ。もちろん全力で行くに決まっている。だが、この日は21時からバンド練習、翌日には稲毛でライブが待っている。しかし手抜きは一切無しだぜ。胃壁全開フルスロットルで挑むさ。
待ち合わせ場所の秋葉原駅昭和通り口改札に来た瞬間にポンポンが痛くなってしまった。前日午後1時まで呑んだのが、ジワジワと武田幸三のローキックのように効いている。
ベーシストの大先輩を改札口に待たせて目の前のトイレに入るのは、些か勇気のいる行為だが、ウンコをしたい欲求が勝った。
トイレから生還し、慌てて集合場所の改札口に向かうと、まだ誰も来ていなかった。
暫く仁王立ちで改札口を睨みながら2人を待っていると背後からDearLiseのベーシスト、Naoさんが現れた。イケベ楽器に寄っていたんだそうな。モアイさんはメールがあって、電車で北千住を走行中だという。
その駅がどの辺にあり、
あとどの位かかるのか、
僕らには分からなかった。
しばーらくしてモアイさんは現れた。Tシャツがキングクリムゾンなのは気合いの証しである。
さて、3人揃ったところで秋葉原の街を練り歩いた。
今宵の店の候補は三軒ある。
1…四文屋
2…金子屋
3…やきとん元気
この順に回り、空いている店から入る感じだ。特に四文屋はなかなか人気があり、入りづらい。金子屋は狭い。やきとん元気は高いのだ。
と、思ったら一軒目の四文屋にすんなりと入れた。

いや、すんなりとではないな。特別な補助席を用意してもらい、無理繰り入れてもらったのだ。まぁ、こんなのはモツ焼き屋じゃ日常茶飯事だな。もちろんチーム最年少の僕がこの末席をいただいた。隣りは品のあるおババだ。芝居でも観た帰りなのだろうか。
僕らが来ると席が狭くなるので、Naoさんがおババにチョイチョイと挨拶すると、おババもまんざらでもない感じ。
さすがはNaoさん!
物腰の柔らかさとスマートさは
課長島耕作ばりだ。
そんな和やかな感じで始まったベーシスト飲み会、僕は店のチョイスを失敗したね。前に行った時も気がついてたんだけど、この店、オペレーションが滅茶苦茶悪いのよ。先に来てる隣りのおババ達のテーブルにもなーんにも食いもん来てないし、我々なんか30分してやっとモツ焼き来たかんね。

でもさ、酒の肴はエレキベースだから、全然2人はモツの遅さに気がつかないでベース談義。
モアイさんはプリウスばりに燃費いいからね、顔見たらお酒で真っ赤だった。
もうさ、仮面ライダーアマゾンの十面鬼ゴルゴスみたいな顔してたよ。あ、でも、ほんとはすっごい優しいパパなのよ。
▼十面鬼ゴルゴス

2人のスティングレイのお話しが興味深かったね。あと、アクティブベースっていう電池入りのベースの話しも。
そうそう、いつもNaoさんの隣りに座ってるとツッコミを入れられるんだけど、今回は向かいに座ったから、ボケてもツッコんでくれないかなーと思ってたら…
なんでやねん!って、
ツッコミが飛んできたね。
Naoさんはガンキャノンばりに中距離支援型もいけるんだね。

そんなこんなで、2時間の時間制限がやってきた。あれ?そんなこと言われて無かったけど、このオペの悪い店に飽きてきたから、「おかめ」っていうロックのアルバムやポスターがベタベタ貼ってある古い立ち飲み屋に移動しようってなってたけど、なぜかラーメン屋「麺屋武蔵」に居たね。
着丼!

味は忘れたよ。
その後、僕はスタジオ練習があるから、ここでお開きとなりました。
でも、なんか2人は別れ際、放課後に内緒で一緒に帰るホヤホヤカップルみたいに目配せしてたよ。
まさか、2人で新宿ゴールデン街の都藍に行ってたとはね(笑)
いやぁ~、楽しかった。
またやりましょう!
「はい、ポーズ」、周囲の蚊には要注意-政府広報: PR
自転車とロック#1
6時17分に起きた。
寝坊だ。しかし、俺という伝説の夜型ロッカーがなぜにそんなに早く起きたか。実は構想2年にも及ぶビッグプロジェクトが始動しているからに他ならない。そんなハッチ渾身のビッグプロジェクトをこれから紐解こう。
さて、軽く持ち物をパッキングはしていたが、パタゴニアの20Lの小型リュックはすでにパンパンに近い。あと、iPhone用ソーラー式充電器を見つければ家から出れるのだが、10分間も探したがどこにも見つからない。この日差し照りつける中、エコな電源を得ようと思ったのだが、そんな坂本龍一的な考えは、この際棄却した。リュックを背負い、テントを背中にカラビナで括り付けて、自転車を家から出した。
蒸し暑い。天気は曇りだが、温度はいつものようにある。日中になれば晴れるだろう。それはそうと、少し急がなければならない。8時30分までには必ず稲毛海浜公園に必着しなければならないのだが、30分ほど寝坊してしまった。7時7分に自宅を出たがこれだと比較的にタイトなペダリングを迫られる。稲毛海浜公園までのルートは目をつぶってもいけるような散々通ったルートだが、実は時間を計ったことが無い。よって、幕張まで着いて、やっとこさなーんとなく稲毛海浜公園への到着時間が読めるの程度なのである。
誰も居ない朝の土曜日の道をひたすらにペダルを回す。リュックに括り付けた丸いワンタッチ式の簡易テントが風の抵抗を強めて、パタンパタンとはためくが、これは脇で抑えてハンドリングするとバッチリと固定できた。この技の発明はデカい。何せこのはためくテントのせいで平均時速を制限しようとしていたのだが、この木戸修ばりの秘儀「テント脇固め」で、ほぼ通常速度で巡行できる。
時計は見ない事にした。
見たところで、これ以上急げようもないし、心に焦りが出ると安全運転が出来なくなる。遅刻したら腹をくくるさ。そんな気持ちで最大限のペダリングをした。
いつもの部室茜浜まで着いた。そこから海岸線を千葉方面に上がっていく。暑い。暑いよ。どちゃくそデカいトレーラーが横をすり抜ける中、海岸線を回しに回した。誰も抜き去るヤツが居ないということは現時点で湾岸最速男である。
ケイデンスはんぱ無い。
ここからは椰子の木の生い茂る並木道を爽快な気分で海を眺めながらペダルを漕ぐことが出来る。幕張の信号でガッツリ止まったので時計をこの時点で確認した。8時7分。ギリギリではあるが多分間に合う。すでに何かのイベントで行列の出来ている幕張メッセを抜け、やっとこさ稲毛海浜公園の敷地内に入る。野外音楽堂は、かなりこの敷地内の手前にあるので助かる。野外音楽堂に近づくとバンドマン達が大勢ギターケースを背負って歩いている。僕は鶴見辰吾ばりにそのまんま自転車で会場入りを果たした。当然だが、他のバンドマン達が「おはようございまーす」や「今日はよろしくお願いしまーす」の挨拶を交わしているのだが、僕には声を掛けてくれない。何せ、自転車だし、楽器は持っていないし、サイクリングジャージ姿だからな。
おっと!ここで、構想2年ハッチ渾身のビッグプロジェクトを発表しよう。それは…
サイクリングの途中に野外フェスでエディパンのライブやって帰る。
で、ある。実はこの野外音楽堂に何年か前に偶然サイクリングで通りかかった時にすでに脳の片隅にはあったのだ。
自転車で来て、ライブして帰れたら素敵やん♡
自分の趣味である自転車とロック、それが一つにならないか。自転車で来て、ロックして、また自転車で帰る。
二兎追いまくり。
しかし、これには色々と障害が付きまとう。楽器である。こいつの運搬を何とかしなければならない。通常ライブだと昼にリハーサルが始まり夜に終わる。そんなスケジュールではとてもじゃないが遂行できない。楽器背負って夜中のサイクリングは危険である。
距離、場所、演奏時間、季節、天候、それらすべてがほぼ理想に近いのが、この稲毛K’s Dream主催の「爆音御礼祭」なのだ。しかし、僕がベースを弾くバンド、EDDIE PUMPKIN'S HIGHにはもう一つの障害がある。いつ、いかなる時もモッズスーツを着て演奏するという習わしである。楽器は自転車でギリ運搬可能だが、スーツはちょっと。何度かリーダーであるスミタ氏にスーツではなくシャレオツな軽装でのライブを提案したが、金吾堂の厚焼せんべいのようにその意思は硬く、
頑なに却下された。
カツ、レツ、却下だった。
なので、スーツと楽器の運搬は、前日に住田様に低頭平身お願いしてクリアした。要するにUCIワールドチームばりにサポートカー付きである。
自転車を野外音楽堂の隅に停めて、まず最初にやることは日陰の陣地の確保である。手早くレジャーマットを広げセンター少し下手の絶好の場所に陣を敷いた。
ワンタッチテントのケースからテントを出そうとファスナーを開けた瞬間にテントが勢い余って飛び出してきた。
おいおい!
ワンタッチもさせてくれんのか。
ノータッチテントやないかっ!
テントを張っていよいよ本格的に陣を敷いた。そして、バンドマン集まるステージら辺に向かうとドラムのシマちゃんが来た。集合時間5分前。やっぱり大人だよな。それに比べて…
千葉市若葉区コンビ
ボーのスミタとギーのダーワーが
まだ来ていない!
8時30分集合の時間厳守イベントで、 同市に住んでいて、8時25分まで姿を見せないなんて、いい根性しとるやないけワレ。
そーこーしているうちに出演バンドの点呼が始まった。あいうえお順でバンド名を呼ぶらしい。ふと辺りを見回すとさっきまでいたシマちゃんがどこにもいない!すーっと消えてしまった。「あ行」から始まると出演バンドさん達が元気に返事をしている。逆に、ちゃんと元気よく返事してないとK's Dreamのスタッフ「はじめちゃん」に弄られるシステムらしい。
びびる。
こっちはメンバー僕一人しか居ないのだ。さらにあいうえお順だと直ぐにエディパンの番が来る。ここで小さく返事すると他のメンバーが遅刻しているのがバレてしまう。はじめちゃんが「エディーパンプキンズハイ!」とコールすると僕は思っクッソデカい声で「はい!」と返事をした。
ふーっ。
何とか無事にパスした。
その後は出順を決めるクジ引きらしい。ステージ上にばら撒かれた24個のクジを一列に並んだバンドの代表者がよーいドン!で拾うらしい。
おいおい!運動会かよww
これは緊張する。何せ大事な大事な出順がこのクジによって決まってしまうのだ。1番を引いた日にゃこのイベント全体が罰ゲームになってしまう。この重要な役割は前からバンドリーダーであるスミタに擦り付ようと密かに策略を練っていたのだが、そんな策略自体がパーになってしまった。
軍師、策に溺れ空振りす。
おーっと!はじめちゃんの煽りとともに「よーいドン!」
とりあえず24人がステージにひしめいてなかなかクジが見えないのだが、なんとか目の前に落ちているクジをゲットした。それを広げる。
果たして24バンド中、
エディパンは何バンド目なのか。
つづく
自転車とロック#2
稲毛海浜公園にいる。
今、まさに稲毛爆音御礼祭の出順が決まる大一番、クジ引き大会が始まるその時だ。これ次第でこのイベントが地獄にも天国にも簡単に変わる。司会者の「よーい、ドン!」で始まり、夢中で拾ったクジに出演の順番が書いてあるのだ。
EDDIE PUMPKIN'S HIGHのメンバーは誰も抽選会場に居ない。スミタ、ダーワーは、まさかの遅刻ですよ。シマちゃんに至っては場外リングアウト。
バンドマン23人をかき分けてかき分けて、やっと手にした三角のクジを開くと…
No.9
と書いてあった。
出順は全24バンド中9バンド目。真ん中が12バンド目だとするとそのちょっと前。とりあえずは合格だろう。ほっと安堵して、出順を司会者に伝える段になって、やっと、あの、エディパンさんって言うんですか?そのバンドのメンバーさん、3人はやってきた。
「クルマを駐車場のプール側(音楽堂と逆サイド)に停めちゃって、もう大変だったんすよー」などとマヌケなことを言っているが、8時30分必着の会場に8時50分に来るってのはどうですか。こっちは出順を決める「クジ引き」という戦さで23バンドと戦ってたんだ。
ここが関ヶ原よ!
ここが赤壁よ!
ここが203高知よ!
ここがア・バオア・クーよ!
しかし、スミタさんやダーワーさんは、僕のスーツと楽器を運んでくださっている手前上、そう邪険にも出来ずにこっちはフラストレーションという名の塊をゴックズゴックゾックアッガイゾアックと飲み込んだのだった。
さて、入り口にタイムテーブルが貼り出された。
僕らは12時15分からの10分間の演奏が決まった。とりあえず3人がローソンに買い出しに行く間、僕はテントでお留守番をしていた。突き刺さる太陽がハンパ無い。暑い。暑くて暑くて死にそうである。1バンド目はK'sの店長さんがベースのバンドだそうな。リハをやっていた。彼のベースもモデュラスなので、僕もモデュラスにしとけば良かったと少し後悔。野外の割に音はこれが意外といい。PAさんの腕なんかな。広がってはいるが、音の芯みたいな部分は残ってる感じだ。
そのうちにコンビニの袋をタヌキのキャン玉袋みたいにぶーらぶーらぶーらぶーらぶら下げて3人が戻って来た。ダーワーが持参していたクーラーボックスにビールとロックアイスを入れた。しばらくして取り出すと最高にキンキンの美味しいビールが呑めた。
お、お3人さま、エディパンさんっておっしゃってましたっけ?
ありがとうございます。
幸せを噛み締めながら「生きている」を実感。こっから自分たちの順番までの2時間は最高に楽しかった。僕らの2バンド前から楽屋に移動して着替えを始めた。
音楽堂の楽屋はめちゃんこ広かった。きっとアレだな、こういう公共施設ってのは、通常出る人の方が客だからだろうな。2つあるエアコンは片方が壊れていて、涼しい方に人が集まっていた。それでも暑い。
そこに何の因果か、スーツのバンドが2つ連続して出演するという。
8番手のthe swiss pornoさんが着替えを始めていた。我々9番手のEDDIE PUMPKIN'S HIGHもスーツに着替えなきゃなのだが、これがめちゃめちゃ暑かった。
ジタバタしても仕方がないのでスーツを完全に着込み、ステージ袖でthe swiss pornoさんの熱いライブを鑑賞。楽屋じゃブーブー暑い暑い言ってたのにあのテンションは凄いわ。MCで「僕ら冬の装いでやってますよ!」は吹いたわ。
10分なんてあっと言う間だね。でも、やっぱり暑すぎて一旦楽屋に戻ってたら、すぐに僕らの番である。事前に打ち合わせた“セッティングしたらいきなりGO!”でインストナンバーのサイコジェットをカマしたったわ。その後にトイズバニーとキラキラスーサイド。いつものナンバーを挨拶がわりに。
いや、本当に暑かったけど楽しかったですよ。
今回はEDDIE PUMPKIN'S HIGHのライブにお越しいただいた方、ありがとうございました。
愛しております。
また、本当は来たかったのにスケジュールの都合が付かず、念だけ送ってくださった方、ありがとうございました。
届いておりました。
今度は来てね。
*
無事にライブは終わった。
あまり汗をかかないタチなので、滝汗ってのは久しぶりだった。もう、ボッタボタのハリーポッターよ。市民プールの1時間に1回の休憩タイムで笛が鳴ってもギリギリまで入っててから上がってきたガキのように水がしたたってたね。おかげでライブ終わったら急に元気が無くなりましたよ。ガンガン呑むぞ~なんて気分にもならなかったね。あ、オシッコにも全然行かなかったな。もう、イデオン状態で身体の毛穴っつー毛穴からなんか大事なものが発射しちゃってたんだろうね。
終わってから閉会の17時までの4時間が長かったよ。K'sはエモ系のバンドが多いのかな。ロックンロールバンドが少なかったから、結構聴くの辛かったね。いや、みなさん凄く上手くてカッコいいんだけど。
だから退屈すると、たまに隣の民間航空記念館に入って興味もないのにふふーんふふーんライト兄弟ふふーん言いながら涼んで、クーラーの効いてるトイレで下痢してたね。
少しづつ陽は傾いてきたけど、涼しくはならなかったよ。会場が17時までなんで最後のバンドは機材を片づけられながらの演奏でかわいそうだったね。
いい夏の思い出が出来ました。
構想2年にも及ぶ壮大なビッグプロジェクトは家に帰るまでがビッグプロジェクトだからね。そんなんで、帰りのサイクリングは海岸沿いの歩道をゆっくり帰ったよ。
行きのイキったケイデンスが嘘のようにゆっくりとね。
そう、ゆっくりとペダルを漕いだんだ。
荒川ドリーミング
ヨッシーをサイクリングに誘った。
どこに走りに行くかは、ぼーっと考えてある。とりあえず、今日はお互い、バンド練習があるので、タイムリミットは17時である。
そして、朝10時にヨッシー宅に迎えに行くので7時間の自転車行。片道3.5時間ということになる。
アルミの愛馬TREK1.1に跨り、ゆっくりと船橋方面に漕ぎ出した。外は中立地帯のソドンの街ばりの熱波だ。順調に走り出して気がついたことがある。
タオルを忘れたの♡
これは早々に100円ショップで買おう。船橋市街地に差し掛かると「ふなばし祭り」で道路が混むという緊急掲示板が目に入った。仕方が無しに迂回してクリア。迂回すると危険度の高い陸橋を走ることになる。
その危険度の高い陸橋をスムーズに通過して右折するとヨッシーの邸宅はすぐである。
今回もヨッシーはバッキバキのチームキャノンデールサイクリングジャージ上下で登場した。自分がタオルを忘れたことを話し、近くのスーパーに寄ったが、全く以って置いて無かった。なので駅に近いキャン☆ドウでタオルとスポーツドリンクを買った刹那Fセイエイにアイツがやって来た。最近レギュラーになりつつあるポンポン痛である。
どうやらオレはキンキンに冷えた店に入ると、自動的にポンポンが痛くなるようだ。特に鮮魚・精肉売り場などがあるスーパーではてき面に来るらしい。あのテキトーなハワイアン風のBGMもそれに加担しているはずだ。
キャン☆ドウではトイレに入らずにタオルとスポーツドリンクのみを購入し、隣りのセブン-イレブンいい気分のトイレを利用させてもらう。ここで鈴木敏文の超経営哲学を学びながらウンコをたれる算段だ。
たれもたれたり!
1個しかないトイレだが、途中でなんのプレッシャーもなく済ますことができた。ん?サイクルレポなのに、こうつらつらとトイレット博士みたいな文章を垂れ流していいのだろうか。
ま、いっか。
西船橋から線路伝いに東京方面へ走った。ちなみに今日の目的地は江戸川CR(サイクリングロード)ではない。江戸川ならヨッシーも行ったことあるし、面白くないでしょ。なので今回は江戸川、中川を超えて荒川CRに向かうことにした。
この荒川CRまでが意外に遠かった。裏道を抜けようとして、逆に遠回りしてしまったようだ。奥戸の方から入ったのが失敗だった。
それでも何とか無事に荒川CRまで来れた。まぁ、西船橋から荒川CRまでは15kmぐらいだろうか。僕の家からだと23kmってところかな。ツールなら毎日150km以上走るんだ。
た、たいしたことない、たいしたことない。
荒川CRは快適そのものだった。幅広な道はゆったりとしていて、脇のグランドでは少年野球の声がする。のどかそのもの。江戸川CRの朝みたいにキリキリしていない。多分少年野球の子供が時々道を塞ぐのでガチ勢は利用しないのだろう。
だからナイスミドルなローディが多かった。金持ちのロードバイク。スーパーカーショーを見てるような感覚だ。
まさに夢のような光景。
荒川CRって意識高い系の人が多いな。
荒川CRに入って7kmほど走った僕らは、休憩を取る事にした。本当は女子サッカーでも試合しているようなグランド脇に陣を敷き、エロ目線で観戦しながら延々と休憩したかったのだが、水場とベンチのある普通の休憩所で落ち着いた。すると、バッキバキのローディのナイスミドルが僕らの横にビンディングをカチャカチャいわせながら休憩しに来た。自転車はTREK最高峰のマドン。ヘルメットは僕の2倍の値段はするボントレガー。ガッチガチのエリートローディである。
すると、あのコミュ障のヨッシーが、エリートローディに話し掛けていた。
げえっ!
自転車という素敵な乗り物は、彼の性格まで変えてしまったらしい。
ヨッシー「あーついですねー!」
エリート「あーついです!今日は大宮から来ました。36km自宅はそっから10km」
年齢なら50歳ちょいだろうか、無精髭を蓄え、日に焼けた精悍な顔は、さながら花の慶次のようだ。そうなると、ご自慢のマドンちゃんも愛馬松風に見えてくるから不思議である。
僕が向こう側の黄色いジャージを着たオッサンを「マイヨだ!マイヨジョーヌがいる!」とからかうとナイスミドルは苦笑していた。折しもツール・ド・フランス17日目の今日である。なぜに黄色いジャージを着て、この荒川CRにいるのか。そりゃ、僕にからかわれても不思議じゃないよな。
オッサンは荒川のクリス・フルームかよっ!
マイヨもいなくなり、ナイスミドルもまた大宮に帰っていった。その後も僕らはベンチを通り過ぎる自転車を眺めては批評していた。まるで千葉テレビ「新車情報」の三本和彦のように。
しかし、あまりここでぐだぐだしていても仕方がない。せめて板橋区ぐらいまで行ってやろうとクリーン&ジャークスタイルで重い腰を持ち上げた。
ひたすらに回す。
途中からサイクリングロードの路面の質が悪くなった。なんか、埼玉に、そして荒川の果てに近づいてる気分だ。
そう、僕もここら辺から未知の世界なのだ。
僕らは荒川探検隊。
川をグングンガンガン上昇しながら、ひたすらに漕ぐ。恥ずかしいお話しだが、おじいちゃんが乗ってるマウンテンバイクルック車にすら抜かれる始末だ。いや、違う!ジジイとは乗ってる距離が違うんじゃい!船橋から漕いでみいや。なんて考えながら進むと隣りの公道の道路標識に「赤羽」の文字が見えた。ヨッシーと僕はバンド練習のスタジオがあるので、ここらでUターンすることにした。ここまで来ちゃうと14時に帰ってもギリギリじゃねーかな。
お互いが荒川の標識の前で記念写真を撮った。
▼ヨッシー
▼ハッチ
橋を渡って右岸から帰ろうとした時に「川口」という標識が見えた。感動してしまった。船橋から川口まで来ていたのだ。
あのN.K.SYSTEMパイセンの地元川口に!
帰りはなるべく急がなくてはならない。僕は21時からスタジオだが、ヨッシーは19時からだからだ。遅刻してもいいなんて殊勝なことを言っているが、先頭を引く僕の責任なのでここはちゃんと時間を守る事を心掛けた。あれだな、裏道使わないで蔵前通りをまっすぐだな。
途中でジオン軍みたいな水門を見つけてテンション上がったりしたが、ほぼ順調だ。すると、目の前に見慣れた建物が飛び込んできた。
▼ジオンの水門
みはらし茶屋
谷キャプテンとサイクリングに来た時に、ここでめっさ美味い珈琲をしばいた思い出がある。そして店員さんの女の子の壮大なブラチラもいただいた記憶が蘇る。要するに…
良い印象しかないのだ。
ヨッシーに茶をしばいていいかおねだりするとあっさりとOKが出た。
サイクルハンガーに引っ掛けると、隣はキャノンデールの上位機種だった。ちなみにヨッシーはCAAD8というエントリーモデルにティアグラという上位コンポをぶち込んでいる。
大丈夫、大丈夫だよヨッシー。
大切なのは脚とハートだから。
2階のレストランに入る。ブラチラの方は拝めなかったが、珈琲はやっぱり美味かった。
休憩ばっかりしている我々に陽は容赦なく傾いてくる。そろそろエネオスばりの油売りを止めて、真面目に走らなければならない。我々は再び漕ぎ出した。この距離乗ってると腰が痛くなるので辛い。
途中で中川の見慣れた景色が広がった。
総武線でよく通る場所だ。ここからCRを降りて、時間短縮のために蔵前通りから千葉街道を走ることにした。比較的タイトな道だ。トラックビュンビュンだし、信号が多い。ただ、知った道だし、知ってる駅の横を通るからその分安心である。
何とか西船橋まで無事に辿り着いのでラーメンでも食おうと「かいざん」に入った。まぁ、美味かったが、どっちかというとラーメンよりお冷をガブガブガブ飲みまくった。
着丼!
そのあとはヨッシーと別れて僕はまっすぐ帰った。
これからベースを担いでスタジオ練習である。
吉田類ゴッコ#026浜田屋/千葉
こんなに長時間話すのは久しぶりである。長電話で思い出すのは、昔、高校生の時に高橋さんという同級生の女の子から電話があって、てっきりあだ名が「ママ」と呼ばれているあの巨乳のエロ大人っぽい女の子だと思い、はしゃぎまくり、話しは弾みに弾んだのだが、時々話しがどこか食い違う。でも2時間以上、いや4時間に渡り話して「明日から教室でも話そうねー♡」なーんて約束をして真夜中に受話器を置いたのだ。そしてそのまんま同級生のシイナ君に電話して、ママとの感動の電話を詳細に渡り報告した。ちなみに携帯電話なんぞ無い時代の話しだぞ。そんで、夜中に寝ながらも、なーんか腑に落ちない点が数箇所あり、クラス全員に配られた連絡網のプリントで彼女の住所や出身中学を調べているうちに、とんでもないミステイクを犯したことに気がついてしまったのだ。
ママじゃない!
別人である。
クラスにはもう一人、ママとは別に超目立たない同じ名前の高橋さんが居たのをすっかり忘れていたのだ。当然だが翌日は教室でその薄い高橋さんとビタイチ話しもしなかった。でも、その後もちょくちょく電話をくれて、まぁ、悪い気がしなかったな。
おっと話しが逸れた。
30年ぶりに2時間も話した相手とは、エディーパンプキンズハイのボーカルギター、スミタ氏である。まぁ、色々な課題が山積する彼の今後の人生について、適当に「あー」だの「うー」だの「まぁそのー」だのと歴代総理大臣の真似をして対応していたのだが、そんなにこのハッチとおしゃべりトーキングしたいのなら、いっそ飲み屋に誘えや!ゴラァ!ということになり、翌日、呑みの約束にこぎ着けたのである。
おっと、ついでに楽器やらスーツやらを稲毛爆音御礼祭に持ってってもらうことにもなった。戦いとは常に二手三手先を考えておくものだぞドレン少尉。
場所は決まっている。前回フラれた店、千葉のもつ焼屋「浜田屋」である。食べログを見ると営業時間が21時までとどちゃクソ早いのだ。そりゃ、フラれるわな。今回は17時30分に千葉で待ち合わせをしてあるから大丈夫だろう。
千葉中央駅で降りたのだが、早く着きすぎた。なので急遽スミタ氏に早く来いや要求をすると、もう近くにいるらしい。とりあえず千葉中央公園に居てというのだが、中央公園のどの辺に居ればいいのか分からないので…
中央公園の中央にいた。
スミタ氏は中央公園の北側からやって来た。とりあえず呑むにゃ邪魔なので、ベースとスーツをクルマに積んでもらい、交換でいつもの鳥打帽をスミタ氏にもかぶってもらって、いよいよ吉田類(ルイ)ゴッコの始まりである。
吉田類ゴッコとはBS-TBSの人気番組「吉田類(ルイ)の酒場放浪記」のマネをして、鳥打ち帽をかぶって居酒屋を巡ろうという企画。放浪のお相手はそのつど変わる予定。今回のお相手は毎度おなじみEDDIE PUMPKIN'S HIGHのギターヴォーカル、スミタ氏である。ちなみに小生はBSアンテナが無いので「酒場放浪記」は一度も観たことがない。想像の範疇でやっているのだ。
▼浜田屋

暖簾をごめんよと開けると店内にはすでにお客さんが数人入っていた。
17時15分の段階で。
さて、テーブル席のサラリーマンの隣に陣を敷いた。まずは酎ハイから。
▼酎ハイ

辛口もつ煮、シロ、カシラ。モツ焼きは3本縛りね。そして隣りのサラリーマン2人組が後から来るお客さんの分だと言い、レバーをイッキに5本頼んで、類(ルイ)達の目の前で終わってしまった。
17時15分の段階で。
早くねーか。早いよな。それでもスミちゃんが大好物なので、お店のお姉さんにダメモトで類(ルイ)自らが聞いてみたらやっぱりダメだった。開店15分で売り切れってどーよ。そういえば、店に貼ってあるモツ焼きメニューの下に曜日が書いてある。仕入れる部位を曜日で分けているのだろう。
しかし、スミタ氏と会話が弾まない。考えてみれば前日に2時間も話してしまったので、ネタが無いということだろう。隣りではサラリーマン2人組の上司の方が何やら若い新人君に訓辞を述べている。こういう典型的なの類(ルイ)好きだなぁ。
会社っていいなぁ。
なんて考えてたら、辛口もつ煮が来た。
▼辛口もつ煮

そんなに辛くなく程よい感じ。汁は甘めであっさりとしていた。まぁ、美味い。
そして、人気のシロ。
▼シロ(塩)

ひと口食べてイナズマが走った。美味い!立ち上がってこう叫んだ。
イナズマー!

塩加減が絶妙なのか。臭みも無いし噛み千切れるほどふわふわである。ともかく何で美味くてイナズマー!なのか分からないがイナズマー!級だった。いや、久しぶりにイナズマー!を出したかっただけなのだろうか。
カシラは小ぶりでこれも美味かった。
▼カシラ(タレ)

その後もどんどんとモツ焼きが品切れになっていった。
食べれる串がない。
これじゃ、確かに前回ふらりと寄ったタイミングではフラれるわけだわ。新鮮な部位を仕入れて売り切りたいのだろうか。ちょっと残念なことではある。
そーすっと類(ルイ)は、呑みモードに切り替えるしかない。次は、バイスサワー(しそサワー)を投入だ。ここの名物らしく、向こう隣のサラリーマン6人グループは、6人全員がバイスサワーである。
類(ルイ)の手元にバイスが来るなり、スミタ氏は「エロいエロい色がやたらエロい」という。指摘されるまで気がつかなかったが、確かにバイスサワーってのは、エロい色してるな。なんか、カトちゃんの「ちょっとだけよ♡」のスポットライトの色だな。
▼ちょっとだけよ♡

また、酎ハイに戻ったりしながらお店もあっつ~間に終りそうな雰囲気になってたので退散した。美味いけど常に店側の論理で使い勝手の悪い店だなこりゃ。
〆のラーメンは津田沼までスミタ氏にクルマで送ってもらって「鈴木さん」で食った。もう津田沼にはもうスミタ氏に食べてもらいたいラーメン屋はビタイチ無いので仕方が無しに鈴木さんだ。
着丼!

類(ルイ)はつけ麺を食べた。スープが冷めないように焼き石が入ってあった。しかし、とくに効果はないようだ。冷めると逆にこの石ころが入っていることが、邪魔で、気持ち悪くてしょうがない。
スミタ氏のチョイスしたまぜそばも特にコメントは無かった。
そんなこんなで津田沼でお別れした。
さて、もう一軒寄って帰ります。

退職の証明#1
月末の話しである。
会社を辞めてからもう3カ月が経とうとしているのに一向に「退職証明書」が送られてこない。銀座に仕事の打ち合わせに来たついでにわざわざ事務所まで出向いたが、部屋は真っ暗で人の気配が無いので、ポストに投函してやった。
社長からその日の夜にメールで連絡がやっと来た。社保に書類を申請しているので待ってくれという内容だった。再三送りつけている俺の作成した「退職証明書」にサインと社印を押せば済むはずなのにそれは絶対にしないようだ。
俺の作った書類は、全く不正の無い、事実しか書いていない書類だ。
退職証明書
平成2年4月~平成27年4月24日まで在籍したが、会社解散により、平成27年4月24日をもって解雇したことを証明します。
社長名 社印
これなww
まぁ、社長に後ろめたい部分があるからサインできないのだろう。ハッチが何を策略しているのかビビってる感じだ。
そして、翌日に速達で社保の書類が来た。今度はこの返信を速達で急げという。散々待たせておいて今度は急げと。この書類に俺がサインして送り返しても、こちら側に何もリスクが無いことを確認してからポストに投函した。
さらに翌々日。月末である。このタイミングで会社に行ってみようと思う。この日なら社長も絶対に事務所にいるはずだし、最悪でも経理のオババはいるだろう。それと、ついでにビックカメラにも用事があるしな。
7月末日。まずは銀座駅で降りた。25年間通ったこの銀座だが、2カ月ぶりに事務所ら辺を歩くと、すでにコンビニが無くなってたり、弁当屋が消えていたりと目まぐるしい変化だった。
ここで切り札のカードの一つを投入する。
懐かしの味噌ラーメン先輩を携帯で呼んで召喚した。
味噌ラーメン先輩というあだ名は、僕と事務所で喧嘩した時にコピー機に味噌ラーメンをブチまけたことからの由来である。それから3年間口をきいていなかったが、2人の退職を機に冷戦は終わりを迎えた。
味噌ラは、元の事務所の近くの仲のいい接骨院の先生から場所とデスクを借りて、そこで細々とデザイン業をやっている。当然食える額は稼いでいない。接骨院の下で待っていると直ぐに降りてきた。最近は整体実技も手伝っているという。スジがいいと評判のようだ。
おいおい、お前はデザイナーじゃないんか!
そんな味噌ラも社長に売掛金5万円がペンディングされているという。2人で意気揚々と銀座の事務所に殴り込む。サマルトリアの王子、ムーンブルクの王女を引き連れるドラクエ2と比べると若干目劣りするパーティだがやむを得ない。階段を昇って事務所前のガラス貼りの扉前に月末だというのに真っ暗である。鍵もかかっていた。確かに2日前に郵送した速達はこの住所になっていたはずである。だが、打ちひしがれる味噌ラの前で不敵に笑う俺。
ふっふっふ。
はーっはっはっはっは。
こんなことだろうと思ったよ。
俺は事務所の新しい住所を知っている。実は得意先の人からメールがあり、お中元が届いたのだが、会社の住所が築地に変わっていたという連絡をもらっていたのだ。
つまりは、この住所はダミーで、5階から2階の事務所に移り、さらに2カ月で新しくまた引越したという。
確かめるべく、教えてもらった住所を味噌ラとたどる。築地といっても外れの外れ、入船と新富町の境にあった。おもくそボロいビルである。エレベーターもないようなのでコトコトと階段を上っていく。
あった!
おいおい!ちゃんとプラスチックで看板が出ている。
25年間働いた、味噌ラは40年間働いた会社が、自分達とはまるで関係なく存在していた。
まるでパラレルワールドだ。
別の世界線がここにあるような感覚に襲われる。
んな、アホなww
コッコン。
俺は小さくノックしながら同時に勢いよくドアノブを開けた。
つづく
退職の証明#2
僕に内緒で引っ越した事務所に、退職証明書をもらいに味噌ラーメン先輩と乗り込みに来たのだ。
軽くノックをしてから、ドアノブをガチャリと回し、重い鉄の扉を開ける。明るく細い通路を通り、会議用テーブルまでくると目の前にパーテーションで区切った、しっかりとしたオフィスが広がる。デスクは6つ。知ってる顔は…。あ、経理のオババが左隅にいた。
「ビ、ビックリしたー!」
と言って思いっきり仰け反っていた。どうやら社長は居ないようだ。事務所は壁紙を変えたばかりなのか、新しい。

以外と広いか。いや、前の事務所と同じぐらいか。中井貴一を薄っぺらーくしたような営業マン(こいつは知っている)と、おじちゃんの営業マン(こいつは一度見かけたことがある)。そして、そして、ジャクソン・ブラウンみたいな顔した30~40代くらいのしょぼいデザイナーがいた(こいつは全然知らない)。
あ、俺のiMac使ってるじゃねーか!
リース会社に転貸ししたと言っていた、僕のiMacはジャクソンが使っていた。やっぱり嘘だったんだな。
とりあえず一通り事務所を見回してから、会議用のテーブルに座った。そして、俺はこうオババに言い放った。
「ちーと、社長さん帰って来るまで待たせてもらおうか」
会議用のテーブルには、表紙を創設40周年用にデザインした、ダサいパンフレットが飾られている。
おいおい、40周年って、すでに誰もオリジナル社員は会社に残ってねーよ!
パンフレットを開いてみると俺のデザインや味噌ラのデザインした印刷物が作品として載っていた。
俺のお客様は全部任せるとベロベロベローチェで言った社長は、翌月には掌を返したように裏切り、俺のお客様全員に営業攻勢をかけ、この恥ずかしい会社案内を送ったらしい。15年前に辞めた人にまで送って、先方の社内でちょっとした話題になったそうだ。
そんな会社案内は、ワケの分からん化粧品開発のPRとか、カンボジアのボランティアのページも挟まっていた。何屋だかわからねーな。
そんなもんをペラペラとめくりながら味噌ラと待っていた。経理のオババは「何でこの場所分かったのよ?」と質問してきた。このオババは、裏切り者である。そんなことまで告げ口しないだろうって事まで克明に社長に報告する。中立公平な立場を見せかけておいて、内通者なのだ。辞めた秘書のカッパのカータンからそれを聞いた。そいつを逆に利用する時以外にこのオババに真実を話す価値はビタイチない。
俺は「とある事情通から…」
とだけ言って会話を変えた。「社長にメールしてくれませんかね?」とオババに頼むとオババは懸命に携帯に向かって文字を打っている。
30分待っても現れない。オババは「要件があれば紙に書いてくれれば、社長に伝えるから」と言い出した。オババよ、2カ月前まで売り上げのトップを走っていた俺がそんなに邪魔なのか。
味噌ラは一生懸命に紙に書いてある。アホか。こんなもん紙切れで、書いたとしても、読みもしないだろう。
何時まで待っても時間の無駄と判断した俺は味噌ラを連れて、事務所を出ることにした。
無駄足だったか。
そう思いながら、ボロビルの前で味噌ラと少し立ち話した。折角銀座に来たので、デザイナーの草苅氏に連絡して、茶をしばく段取りメールを打ちながらとぼとぼと味噌ラと銀座方面に向かい歩き出した。
すると、道の向こう側に、ヤツが、ヤツが歩いていやがった!
つづく
退職の証明#3
自転車ラーメン紀行「ラーメンつち家/稲毛」
ベーシスト飲み会 in 新宿
新宿にいる。
毎度おなじみ流浪の企画化している「ベーシスト飲み会」に参加するためだ。Naoさんが仕事で遅れるかもしれないということで、僕も余裕をかまして、いつもよりギリで現地アルタ前に着く信号の手前、遠くから見えるモアイさんの指差しジェスチャーで左前方を見ると、Naoさんが5馬身差で先に集合場所に着くという。
不名誉だが、先輩より遅れて、僕がビリで全員が揃った。今回はモアイさんが招集の会だ。
そして、今回のゲストはミスターグレッチこと、The Sobsのギタリスト、きーやん。初めて呑むけど、一度一緒に呑んでみたかった人だ。
▼The Sobs(無許可転載)
お店のチョイスは今回も僕だった。4人だと「しょん横」はキツいので、無難に歌舞伎町の加賀屋。歌舞伎町の端っこの奥の方にあるので結構歩くが、みんな楽しいトークを織り交ぜながらだとすぐに着いた。
今日はなんだか予約が多いらしいので、店の真ん中に陣を張った。僕はやっぱり今回もNaoさんの本場のツッコミが届く隣りの席に座ってしまった。
全員が生ビールを頼み乾杯。モツを数種類頼みながら和やかに会は始まった。
すると、いきなりきーやんがギター弦の話しを展開してきた。
お、おいおい!
僕はきーやんに笛を吹く。胸ポケットからイエローカードを出した。
ここはベーシストのための飲み会だぞ!
先輩ベーシスト3人の前で、良くぞのうのうと憎きギターの話しをしたもんだ。
以後、ギターの話しは厳禁とした。
僕はピックガードを出して、場をギター話しからベース談義に引き込んだよ。
Naoさんも十八番の噺、「好きなベーシスト列伝」をモアイさんから振られてたな。このネタも、もう70回ぐらいは聞いているよ。
▼謎のピックガード
この席でお詫びと訂正があった。てっきり年下だと思っていたきーやんがまさかの1コ上。これで、この会の最年少は僕に決定した。もしパイセン3人衆が口を揃えて「ハッチ、焼きそばパン買ってこいや!」と言われたら即買いに行かなければならない状況というわけだ。そのぐらいこの年代の上下関係はキビシイということだけは覚えておいてくれ。
ちくしょう!こんなことなら近所のコンビニで焼きそばパン買っておけばよかった。
さーせんっす きーやんパイセン さーせんっす
あと、きーやんが「生ビール」つったのに、チャイナガールの可愛い女の子が「マカロニサラダ?」って聞き間違えたのが今日イチだったな。オトコ店員なら罵倒怒号の嵐だろうが、カワイイ女の子だとコワモテのパイセン達もニッコニコだ。
そんなコワモテのパイセン達の目を盗んで、僕はしょっしゅうトイレに通った。
彼女に会うためだ!
彼女との世界旅行も考えている
ホッピーが効いたようだ。
楽しい宴はあっという間だった。
とりあえず中〆のラーメンを食って、そっからゴールデン街の都藍に行こうとなった。
やっぱり新宿といったら「すごい煮干ラーメン凪」なのだが、ゴールデン街に着く手前に別館ができてたからそっちに入った。
着丼!
時間もないので、食ってすぐに今度は慌ただしく都藍へ移動した。
ここも超人気店ね。
今宵はオーナーのKAZさんが店にいらっしゃった。
やっぱ海賊にいそうだよな。
本人には言えないけど。
見た目はコワいけどドリンクオール700円の安心安全なお店よ。
ゴールデン街来たら是非寄ってね。
Naoさんは、外人のお客さん相手にブロークンイングリッシュで弾けまくってたな。アホトークして、水割をペロペロと舐めてたら、あっという間に終電のお時間。
帰りは総武線各駅のお茶の水駅でのイス取りゲームにも見事勝利して、ゆったり座れて帰りました。
吉田類ゴッコ#027大衆酒場 増やま/船橋
登山の打ち合わせと仕事の打ち合わせだ。本の仕事の担当編集者は巨悪を追うジャーナリストの石和氏である。かなり早い時間の打ち合わせだが、船橋住まいの巨悪の石和氏は、ここ船橋まで来て仕事の打ち合わせをしてくださるという。
いやいや、前日に別件の打ち合わせで、御社まで出向いたのだが、バッタリ社内ですれ違っても山登の天気の話ししかしなかったのだ。まぁ、いい。
おばちゃんが営む、花生食堂という昼間っからやっている居酒屋に向かう。

そこで巨悪の石和氏はマグロのブツを箸でついばんで待っていた。まずは登山の打ち合わせである。僕は22日から槍ヶ岳に向かう彼ら船橋登山隊のバックアップを太陽にほえろのボスばりに、B.C(船橋のベースキャンプ)から行う予定だ。マグロブツには箸をつけずに、登山計画書を貰い、コースのチェックをする。今回彼らは大キレットに挑むらしいのだ。その為に群馬の妙義山での訓練もしていた。
そういや、妙義山のお土産に毎年だるま弁当をくれるのだが、そのプラスチックの容器は貯金箱になるようにだるまの口の部分に小銭が入る穴が空いている。
▼だるま弁当

そこに僕は1年間小銭を貯めて、 彼らが翌年にまた妙義山を下山して、だるま弁当を土産に受け取る際、お礼に船橋加賀屋を僕がゴチするシステムになっている。だるま弁当がいくらするのか知らんが、なんか高ーいだるま弁当になっている気がするのは、気のせいではないだろう。今年も2500円ほど貯まっただるま弁当の貯金箱を銀行で札に両替して、船橋加賀屋で呑み、確かお会計は3人で4千円くらいしたっけかな。
よ、よ、
4千円のだるま弁当じゃねーか!
おっと、ファミスタ'88、ホイールズの「ゆたきや(高木豊)」のファウルボール並みに話しは逸れたな。

んで、花生食堂で仕事の打ち合わせ。赤字のゲラをもらい、サーっと目を通した。大した修正は無い。この書籍は6章まであって、内の5章までは初校を上げている。この時点で8月20日までまだジャスト1週間あった。まぁ、ギリでUP出来るペースだ。僕が6章の初校出しの日にちを確認すると、巨悪の石和氏は8月20日では間に合わないという。
8月17日の朝までに上げてください。
ぎょええええ!
今の時点で20日にUPするようなスケジュールで動いていたのに3日、いや4日スケジュールを早めてくださいと言う。
あと正味3日しか無い。
まぁ、納期が1ヶ月もあったのに前半おもっくそ遊んでた僕も悪いのだが、土日徹夜フルコースを命じられて、しょぼーん状態の僕に巨悪の石和氏は、次の店に行こうと優しく声をかけてくださった。本当は今すぐに帰って仕事をすれば、半日も時間を稼げるのだが、巨悪の石和氏の甘~い誘惑に呑み助の血が逆らえなかった。
ドナドナ状態で巨悪の石和氏に引かれると、いつもの加賀屋とは違う方向に向かった。
今日は「増やま」に行きましょう!
いやいや、絶対に空いてないっすよ。
何せ3回行って3回もとフラれたのだ。超人気店だし、店も狭いからしょうがないのだが、万が一入れた時の為に巨悪の石和氏に鳥打帽を冠って頂き、やんわりと、そして、はんなりと、無駄に長い前置きから、吉田類ゴッコの始まりだ。
吉田類ゴッコとはBS-TBSの人気番組「吉田類(ルイ)の酒場放浪記」のマネをして、鳥打ち帽をかぶって居酒屋を巡ろうという企画。放浪のお相手はそのつど変わる予定。今回のお相手は最近仕事のお客様でもあり、登山仲間でもある、巨悪を追うジャーナリストの石和氏である。ちなみに小生はBSアンテナが無いので「酒場放浪記」は一度も観たことがない。想像の範疇でやっているのだ。

ガラガラと扉を開けて暖簾をくぐる。
カウンターは今宵もビッシリ。
やっぱり満席かと思ったら、奇跡的に2席空いていた。
超ラッキー♪
思わずそう呟いてしまった。早速、狭い店内の客を花道を荒縄をぶん回して入場するスタン・ハンセンばりに掻き分けて掻き分けて、木の丸椅子に座る。
はい、物を投げないでくださいっ!
はい、通路を空けてくださいっ!
と、ケロ田中風に自分でリングアナして着座した。うーん狭い。いや、しかし…
この狭さ、この空気。
スミタ、これが居酒屋(センジョウ)よ!
僕はザクのコックピットに搭乗するように丸椅子を右横にスライドしてから、カウンター側にハンドル(箸)を握った。

さて、最初はボール(酎ハイ)を頼む。酎ハイの酎の銘柄は金宮だった。そして、日本酒の冷(ひや)を頼む巨悪の石和氏と乾杯である。僕も巨悪の石和氏も、完全に仕事の事を忘れていた。
一世風靡セピアの名曲「セピアカラー」のようにドンチュフォーゲット♪ドンチュフォーゲット♪ドンチュフォーゲット♪ドンチュフォーゲット♪ゲッ♪出来なかったのである。
さて、注文は…店内に張り巡らされた心のコスモ(小宇宙)のようなメニューを見ながら、先ずは肉豆腐と煮込みを頼む。
▼肉豆腐

▼煮込み

こいつが激美味かった。
特に煮込みの濃ゆい味の染み込みようが半端無い。思わず立ち上がり天を指差し、「イナズマー!」と、木村健悟ばりに叫んだ。
▼稲妻レッグラリアット

そして、何代目かのJ-SOUL BROTHERSのように思わずランニングマンしてしまった。しかし、この居酒屋は意識高い系酔っ払っいの店なので、誰も突っ込んではくれなんだ。
その後は、隣りの客を真似て、美味そうなハムカツを頼んだ。これも美味かった。何か、油の香りが銀座のチョウシ屋コロッケに似ている気がする。
そして、コスモ(小宇宙)なメニューの中にとっても気になるドリンクがあったので注文することにした。しかし、何だか分からないので、一応ドラゴンアッシュみたいなカッコしたB系の店員さんに尋ねてみた。
「プチャヘンザ 、プチャヘンザ、このガリチューってどんなのだ?セイ、ジーブラ」
「ガリの入った酎ハイです。」
とりあえず注文してみた。
▼ガリチュー

味は普通に酎ハイに寿司屋のガリを入れた味だった。
う、うん。
もう頼まないかな。
紅ショウガのかき揚げもデカくて美味そうだった。
この店は、みんな隣りの人のメニューを見て美味そうだと自分も頼むから連鎖率が凄い。ハムカツが三人並んだ時は、思わずドンジャラーーー!と叫びそうになったわ。
結構いい感じに酔ったので、この辺で御開きとなった。こういう店は長居は無粋。スッと呑んでサッと帰る。
なんて言いながら、次は加賀屋に寄って帰ったのだった。
じゃあ、もう一軒寄って帰ります。

セルフ蟹工船
自宅にいる。
死ぬ程忙しい。毎日、外に一歩も出ずに缶詰め状態で仕事をしている。今朝、2日ぶりにゴミ出しで外に出る程の缶詰め具合いだ。昨夜は部屋の白い壁が襲ってくる幻覚を見る程の缶詰め具合いだ。
だが、寝ていないワケではない。9時-2時で仕事をしているが、自宅で仕事をしているので、6時間は寝れる。
通勤しなくて済むというのは、こんなにも寝れるのだ。
買い出しに出掛ける時間も惜しいから、毎日カップ麺(カップスター醤油味)とレトルト食品(ボンカレー)、ミートスパゲッティの毎日だ。片付ける時間すら惜しいから、それらの容器や食器は台所で無造作に重ねてある。
それもそろそろストックが切れてきた。
ストック切れシスターズだ。
明日は食いたくも無いというか、食いたい気分では無いのに、カップスターのカレー味を強制的に食べなくてはならなくなってしまった。これで全てのカップスターを食べきってしまった。明後日は久しぶりに食料を調達するためにマミーマートに行くだろう。
それではハッチの期間工のような1日のスケジュールを見てみよう。
【ぼくのながすぎるなつやすみ】
9時起床
↓
ツムツム(ゲームアプリ)を華麗にプレイして強引に目を覚ます
↓
ずるずるとツムツムを11時までやり込む
↓
スピーカーにセットしたiPhone4を起動し、radikoという、ネットでラジオが聴けるアプリを使い、放送局をINTER-FMにセットする
↓
デスクに座り付けっぱなしのMacBook Airを広げ、原稿を確認した刹那、あれよあれよと昼になる
↓
時報とともに12時キッチリにメシを食う
↓
落ち着く
↓(昼寝も可)
13時に本格的な仕事が始まる
↓(集中タイム)
17時30分の児童の帰宅を促す市内放送を聞いてビックリする
↓
19時キッチリにメシを食う
↓
食べたらすぐに仕事に戻る
↓(再びの集中タイム)
ふと時計を見て22時にビックリする
↓
1時にウルフばりの気力と体力の限界を向かえる
↓
ナカ濃いめのハイッピー(ビアテイスト)を呑んで2時就寝
↓
9時起床
と、まぁ、こんな感じのスケジュールで、毎日を送っている。もう1ヶ月くらいこんなんだぞ。
ただ、呑みのお誘いだけは、極力、全力で受けるようにしている。
【ちらりインフォメーソン】
EDDIE PUMPKIN'S HIGH ライブ情報
8/30(日)
新松戸FIREBIRD
"新松戸ゴールデン劇場"
OPEN 15:30
START 16:00
TICKET 前売¥2,000/当日¥2,500
※別途1drink charge
※16:00までにご来場で追加1drinkプレゼント
※エディパンは17:30からです。
エディパンライブ@新松戸FIREBIRD
日曜日はエディパンのライブだった。
今回はEDDIE PUMPKIN'S HIGHのライブにお越しいただいた方、ありがとうございました。
愛しております。
また、本当は来たかったのにスケジュールの都合が付かず、念だけ送ってくださった方、ありがとうございました。
届いておりました。
今度は来てね。
*
新京成電鉄に乗っている。
八柱駅で武蔵野線新八柱駅に乗り換える。乗り換えの途中で俺のソウルフード八柱駅の「南魁楼」に寄ろう思ったが、何せ今日は15時30分スタートの長丁場。メンバーがご飯をどのタイミングで食べに行くか分からないから、ここは食べないで、泣く泣く前を素通りした。それと、少し寝坊したので、このまま行ってもハコに着くのが顔合わせ時間のギリギリになってしまう。こんな状況であの美味いたぬきソバを食っている途中にメンバーからLINEでも来ようもんなら台無しである。
▼南魁楼
遅刻した分際で、一杯のたぬきソバのクレームを言うほど、私のツラの皮は厚くは無いということだ。
乗り換え時間のタイミングが悪く、14時47分に電車が来る。雨の中、時間もギリなので超高速オカマ歩きでプリプリとケツを振りながら歩いて、今日の我々EDDIE PUMPKIN'S HIGHのコンサート会場であるライブハウス、新松戸FIREBIRDに着いた。
コンサート会場に着くとラッキーな事に、トップのかもめのジョナサンがまだリハをしていた。そして、エディパンのメンバーはフロアの端っこで、極寒のニホンザルのように身体をすり合わせ、一箇所に固まってリハを観ていた。
さて、無事にバンドに合流して、ライブハウスの顔合わせも済ませ、出番前の少しの時間を利用して食事することにした。新松戸と言えばやはり千成亭だよな。
モヤシソバと半ライス着丼!
そして、生中を2杯も呑んでしまった。あの、「スーパーマルエイの鮮魚コーナーの床の味がするザーサイ」は、誰も手を付けなかった。満腹+ホロ酔いという、大凡(おおよそ)これからライブをするとは思えないようなコンディションでコンビニに行き、水を買ってから帰って来ると、Naoさんときーやんにバッタリ遭遇。まるで僕が2人を迎えに5階から降りて来たような設定になっていたので、その設定はそのままで一緒にフロアまで上がっていった。
そっから急いで着替えて、すぐに僕らの番だだった。レッドステージでは、電氣唄雀が演っていた。せっかくのチャンスなのでステージから観させてもらった。円熟味が増して、2人の息がより合ってきたよ。
今回はバンド数が多いのでリハーサルは無し、なので予めフルテンでモニターの返しをもらった。
本番は凄く演りやすかった。
あと、今回からエフェクター一切なしのカールコード直結なのでセッティングが楽ちんだった。
後でICレコーダーの音源を聴いたら、爆音なのに凄くバランスが良かった。
自分のライブさえ終わっちまえば、後は呑みまくるだけ。呑みホにチェンジングして、THE KING OG’Sを最前で堪能し、赤松ハルカさんもキュートだったし、今までちゃんと観た事なかった(←失礼な)、LUNCH-Ki-RATTもいやぁ、楽しくて本当にいいバンドだったなぁ。
結局、ベロッベロに酔ってしまいすんませんした。
そっから先は、全記憶消去してしまいました。
確か帰りにトラさんとメンバーでラーメン「麺吉」に行ったような気がする。
写真が残っていた。
まぁ、一応…本日2回目の
着丼!
今回使ったベース、ミュージックマン・スティングレイベースのインプレッションはまた今度。
さて、次回のエディパンライブは…
9/13(日)両国サンライズ
【SUNDAY BOOTZ CAMP】
op16:30
adv¥1500+1D door¥2000+1D
藤原ディーコンバンド
自慢★毛
WINK’S
Ichikawa suisan
Ni:ddle
Back Woods
※EDDIE PUMPKIN’S HIGHは19時10分から。
スティングレイベース買ったった【購入編】
事務所にいる(自宅)
電話が鳴った。
依頼主はヒラちゃんだった。
ヒラちゃんは65歳。歳の離れた昔のお客さんだが、気が合うのか、彼が仕事をリタイアした後も今だに呑んでいる。
そんなヒラちゃんの仕事の依頼とは、ヤフオクで昔の歌手のレコードを落としてくれという。どっかの会社の会長からの指令だから、金に糸目はつかないらしい。
まぁ、そんな依頼はお安い御用だ。いつもゴチになってるしな。ってんで、取り敢えず350円のレコードに2100円ぶっ込んだ。値段は500円で一旦落ち着いた。落札者ライバルは一人、業者かマニアのように古い演歌のレコードばかりをを買い漁っているようだ。だが、せいぜい800円止まりだろうと勝手に思い込んでいた。
夜中にふと悪い予感がして、取り敢えず5100円までぶち込み直した。落札期限までは気にしなかったのだが、2~3日して驚愕した。
最終的に僕が落札者だったのだが、金額が2500円までハネ上がっていたのだ。
モノの価値というのは分からないもので、あの業者っぽいマニアっぽいライバルのおっさん(←想像)が、さらに2度ほど入札チャレンジして、諦めたようである。
もし、1100円のままなら僕は落札出来なくて、ヒラちゃんの信頼を失っていただろう。実は前回も頼まれて、余裕ぶっこいてて落札し損ねていたのだ。
さて、そんなアドレナリンを他人のオークションというカタチで久しぶりに放出してしまったもんだから、今度はその欲望が自分の欲しいモノに向かうよな。
MUSICMAN STINGRAY
実は数日前に、御茶ノ水の楽器街でスティングレイベースを試し斬りしていたのよ。そんときさ、まぁ、俺には無いよなぁと思いながらも、一応条件としては、
・色はサンバースト
・ネックはローズウッド
・ピックガードは鼈甲柄
なんて条件で探しているワケでもなく、でも一応パトロールと称して楽器街の平和を守るために探していたら、ファッキンイシバシ楽器にほぼドンズバがあったのよ。
“ほぼ”と書いたのは、ピックガードが鼈甲じゃなくて黒色だったのね。でも、まぁサンバーストカラーでローズウッドなんつーのは珍しいので弾いてみたのよ。
個体としてはボリュームノブがぐらついているわ、ネックプレートにクラックが入っているわで散々たる状態を注記もなく澄まし顔で売っているというまさに外道なファッキン具合いだったんだけど、その音色のふくよかさ、内蔵プリアンプの効き具合、サウンドヴァリエーションを試奏して確認している間に完全にこのベースの虜になってしまっていた。しかしながら、このファッキンイシバシのオンボロロオンボロボロロ石狩挽歌ベースにはビタイチ食指が伸びなんだ。
でも、心の奥底にスティングレイベースの焔は燻っていたのね。まぁ、尊敬するDeaLiesのベーシストNaoさんが僕のベースブログ
「このベースが欲しい#4 MUSIC MAN Sting Ray」
を読んでくださって、少なからず影響を与え、このベースを購入され、さらにNaoさんのブログを読んで僕が購入するという、この無限のエネルギー、これで発電できへんかな。
向かいの末松ん家の柴犬が腹空かして自分のウンコ食べてたけどアレは無限と違うよな。
そんでスラムダンクばりに過去の話しに戻るけど、あ、ヤフオクよ!ヤフオクで「ミュージックマン スティングレイ」って検索したのね。ヤフオクで楽器なんか買うバカがいるかっ!とか言うけど、実際に居たのね、この船橋ビッグシティーイズアロンリープレイスに。たまたま仕事の入金がどーんとあったし、こっちも強気よ。
そったらあんた、グレコのクソベースみたいな値段でドンズバがあったべさ!
だけど、よーく見るとコレ酷いのよ。
まず、壊れた指置き。
フィンガーレストっつーの?ここに親指置いて指弾きすると安定するからって、前持ち主が勝手にボディーに穴開けてくっつけちゃったのね。確かにピックアップがブリッジ寄りにあるから、その気持ち分からなくは無いけど、ネジ1個取れてるし、なんか汚いし、人に売るときは気を使えよなーって感じよ。
さらにボディ裏には…
ステッカーがベタベタ。
なんかメロコアみたいな人が使ってたステッカーだよこれ。ガイコツとか貼ってあるじゃん。これもちゃんと剥がして売れよー。いや、ひょっとしたら何かこのステッカーを剥がせない理由でもあるのかも知れない。
それとトラスロッドは確認しようが無いよなぁ。
ヤフオクで楽器買うなんて、本当に正気の沙汰とは思えないよなww
ただ、船橋加賀屋で、スマホ片手に特製ハイボールを呑んでいる俺は、この安いMUSIC MAN Sting Rayをポチるには充分のベロンベロン具合いであった。
数日後、こんなメールが二日酔いの枕元に届いていた。
おめでとうございます!
商品「MUSIC MAN Sting Ray」を落札しました。
寝耳にスプラッシュである。
とにかく俺は寝ぼけながら、取引きナビの指示どおりに迅速に行動した。
つづく