取手にいる。
茨城県だ。
とうとうEDDIE PUMPKIN’S HIGHは、バンドの最終目的である、“ドラムのシマちゃんのふるさとで凱旋帰国ライブをする”を達成できた。
▼ドヤ顔でドラムを叩いていたシマちゃん。
これぞオレ!だ。
そして、素晴らしいハコだった取手ダンデライオンカフェ。
エディパンのライブは終わった。
居残り勉強をさせられる友達を見るような目で、メンバーは僕を見送り、ステージを降りてしまったね。僕はステージに残らなければならない。次のステージ、しゃぶりなベイビーズのライブがあるからだ。
ギタリストが変わった。
本番前のスタジオは1週間前にたった1回、2時間だけ。普通のギタリストなら臆してステージに上がれないだろう、なにせ彼は6年ものブランクがあるのだ。
しかし、彼はこのセルリアンブルーのマットに上がってくれた。
エプロンサイドから
上がるその姿は
U対抗戦の時の
長州力に見えたね。
熱い何かが込み上げてきたよ。
タオルで拭くとポロリとコンタクトが外れてしまったね。あ、ワンデーアキビューだから心配しないで。
しかし、そんな感傷に浸ってる暇無くしゃぶりなベイビーズのライブは始まったさ。無我夢中で音は聴こえていなかったね。いつものようにステージアクションでトラさんが振り上げる右手に怯えながら弾いたんだ。
コンタクト(ワンデーアキビュー)が無くて目が見えないので、曲と曲の合間でガワラ氏にセットリストの確認をしたよ。
誤情報だったね。
あの腕にマジックで書いてある曲順は間違っていたのだ。そして、なぜか俺がトラさんに怒られたお。
ギターは堂々としたもんだった。
寧ろ、メンバーで一番落ち着いていたぐらいだったね。
しゃぶりなのライブは終わった。
無我夢中だったので一瞬だった。
2ステージお疲れさまでした!なんて言われるもんだから、それこそ風邪をひいて家族みんなから心配されるので、嬉しいけどここは弱々しく演技をするしかない子供のようになっちゃったね。
まだまだ全然やれるだけの気力はあったさ。ただ問題は…
体力の限界!
なだけよ。
エディパンの時はイキってジャンプとかしていたけど、しゃぶりなの最後の方は、お地蔵さまのようになって弾いていたはずね。このお地蔵さま形態にトランスフォームしたら、何時間でも弾ける自信はあるよ。
けど…
人様に見せるカッコじゃないなw
しかし、本当にいい空気のハコだった。ダンデライオンはもはや取手の文化と呼べるのではないか。
取手と言えば…
アートスクールに通ってた頃、取手に住んでるネモヤンとケイちゃんと3人で夜中にネモヤンのセリカXXで取手をぶらぶらと走り回ってて、白いミラパルコの前を無理やり割り込んだら、実はめっちゃ恐いヤンキー1匹だけ乗ってる軽で、追いかけ回されて逃げまくって、信号で捕まって、カツカツカツカツと女もんのアミサン履いて走ってこっち来て、ドアを膝蹴りされて、窓ガラスを殴られて「開けろよテメー!」ってシャープペンで書いたような極細眉毛の恐い顔が窓いっぱいのど迫力だったんで、ケイちゃんは素直にドアを開けようとして、ネモヤンと僕は「開けるなー!」っつって、ドアを開けるのを必死に止めさせて、その瞬間に信号が変わって、速攻アクセルベタ踏みして、ヤンキーはミラパルコに戻ってるから出遅れて、とりあえずあの利根川越えたら千葉だから、千葉までは追って来ないだろっつって飛ばしてんだけど、セリカXXに白いミラパルコは猛烈に追走してくんのよ。6気筒 2.0L DOHC 24バルブによ?もはや車のポテンシャルを超えた茨城ヤンクスの魂を感じたね。
【参考資料】
▼セリカXX
▼ミラパルコ
すげースピード出てんのに声もハッキリと聴こえるのよ。
待てコラワレー!
ぶっ殺すぞー!
あーん!
とかなww
ほんで、何とか利根川渡りきったら、やっぱり千葉までは追って来なかったけど、恐くて西船橋まで逃げてファミレスでぶるったねww
長太郎会館でほとぼりが冷めるまで朝までボーリングして、ネモヤンは恐る恐る取手に帰ったよ。
その後、半年はネモヤンはセリカXXに乗らなかったね。地元の金持ち家系だし、親戚が中古車屋だから、いすゞのピアッツァに乗り換えてたな。
話はファミスタ“おおの”のカーブ並みにそれた。
そんなロクな思い出がない街が取手なんだけど、今回見直しちゃったよ。
まさに好ブッキング。
トラさんよくぞこんな素敵なバンドを集めれたもんだ。
そんで、ライブ終わったら、エディパンメンバーでラーメン食いに行こうってなったのね。
そうしたら、あろうことか、あのEDDIE PUMPKIN'S HIGHのボーカルギター、スミタ氏が…
てらっちょ行きましょう!
てらっちょ!
げえっ!
8時間前に食ったやないのっ!ってか凄いコッテリだし1日にツーてらっちょはキツいなぁ。しかもドラムのシマちゃんも食ったことあるし、てらっちょショックを体験してないのはギターの世界のダーワーだけやん。すると、スミタ氏はこう畳み掛けた。
ダーワーに食べさせたいの♡
どんだけ愛されてんだよ!
そう言われちゃ、こっちも断るワケもいかないじゃん。まぁ、味噌ラーメンかつけ麺でも食えばいいかと自分に言い聞かせて快くオーケーした。
西部警察の大門フォーメーションのようにカーを連ねて爆進した。
ガーーーこちら大門、取引場所は東京港第三埠頭資材置場だ。 ブッ。
なんて、やりながらてらっちょに着くと…
ゲロ混みだった。
何せ、人気店なのに4台しか駐車スペースがないのに我々大門軍団は3台で来てるのだ。
ガーーーこちら大門、取引場所が変わった!今度の取引場所は長島スパーランド、遊園地だ。ブッ。
違った、地元のシマちゃんが深夜0時にラーメンコンピュータをフル稼働させて選んだその店は…。
屋台とんこつらーめん めん吉 南柏店
堅い。実に堅実でヤクルト若松監督のような采配だ。
ヤングボウルの駐車場に停めて、やっと暖かいラーメンにありつけた。
さすがに2食続けて背脂チャッチャ系は辛いので、つけ麺を注文した。
着丼!
染みるね~。
ここで、世界のダーワーとシマちゃんとはお別れした。
深夜2時。スミタ氏に家まで送ってもらった。小さくなるまでスミタカーを見届けて、ベースケースを担ぎ直し、深呼吸を一つ。
春の匂いがした。
おわり
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エディパンとしゃぶりなのライブ@取手ダンデライオンカフェ【後編】
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